ITコンサルティングを手掛けるアイ・ティ・アールは2021年8月26日、AI関連領域の主要8市場について、市場規模推移や予測結果を発表した。
ITコンサルティングを手掛けるアイ・ティ・アール(ITR)は2021年8月26日、AI(人工知能)関連領域の主要8市場について、市場規模推移や予測結果を発表した。機械学習プラットフォームの企業導入が進んだ他、製造業を中心に、AI活用による翻訳業務の内製化も進んでいるとみられる。
調査対象となったのはAI関連領域の内、画像認識、音声認識、音声合成、テキスト・マイニング/ナレッジ活用、翻訳、検索/探索、時系列データ分析、機械学習プラットフォームの8市場である。
ITRによると2020年度のAI主要8市場の売上金額は513億3000万円で、前年度比19.9%の増加となった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下で、新規案件の獲得に苦戦するITベンダーが散見されたが、一方で在宅勤務での業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを推進する企業においてAI活用が拡大し、躍進するベンダー企業も多く見られたという。なお、ITRは主要8市場ではベンダー企業の新規参入が増加傾向にあり、競争が激化しつつあるとしている。
主要8市場の中で、2020年度に最も売上金額を伸ばしたのは機械学習プラットフォーム市場で、前年度比44.0%増となった。参入ベンダーの増加とともに製品の低価格化も進んでおり、今後もプラットフォームの企業導入が拡大する見込みだ。
同市場に次いで高い伸びを示したのは翻訳市場で、同38.0%増となった。ITRはコロナ禍で海外との書面によるコミュニケーションが増加したことなどを背景に、製造業を中心に大企業での全社導入が増えたことが要因だと指摘している。また、これらの翻訳製品/サービスの精度が向上したことで、従来外部に委託していた翻訳業務を内製化する動きもあり、同市場は今後も継続的に成長していくと予想される。
AI主要8市場は各市場ともに、2020年度は前年度と比較して非常に高い成長を示している。ITRは今後もさらに市場が拡大するとして、AI主要8市場の2020〜2025年度のCAGR(年平均成長率)は18.7%、2025年度には1200億円に達すると予測する。
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