富士キメラ総研は、AIビジネスの国内市場を調査した「2020 人工知能ビジネス総調査」の結果を発表した。AIビジネス国内市場の2020年度見込みは1兆1084億円で、2025年度には1兆9357億円に達すると予測している。
富士キメラ総研は2020年10月12日、AI(人工知能)ビジネスの国内市場を調査した「2020 人工知能ビジネス総調査」の結果を発表した。
同調査では、AIビジネスをカテゴリー別や業種別に分析し、AIの活用が進むソリューション市場、エッジAIコンピューティング市場についてもまとめている。なお、AIビジネスには、AI分析サービス、AI環境を構築するためのコンサルティング、システムインテグレーション、AI関連のアプリケーション、プラットフォームなどが含まれる。
AIビジネスについては、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によるプロジェクト遅延や新規案件の延期などが発生した一方で、リモートワークの急速な普及に見られるように、多くの企業がデジタル技術を活用した構造改革に取り組んだ。競争力を強化するため、企業が優先的にAIに投資すると考えられることから、2020年度の同市場は前年度比15.4%増の1兆1084億円に拡大する見込みだ。また、2021年度以降はDX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な要素として、AIの利用がさらに拡大し、2025年度には2019年度比2.0倍の1兆9357億円になると予測される。
エッジAIコンピューティングは、2019年度には試作品開発のための検証が主に進められた。2020年度は具体的な試作品の開発へと移行し、国内市場は177億円と見込まれる。2021年度以降はAI組み込み機器の量産化やアプリケーションの開発が本格化し、2025年度には2019年度比で4.2倍となる565億円に達すると予測されている。
その他、業務効率化や自動化に関わるOCR、チャットボットなどのソリューションが注目されている。2020年度の見込みは、OCRソリューションが160億円(2025年度予測は303億円)、チャットボットソリューションが188億円(同368億円)、需要予測ソリューションが203億円(同304億円)、パーソナライズドレコメンドソリューションが102億円(同180億円)となっている。
また、AIを利用中もしくは3年以内に導入予定の企業の担当者520人にアンケートを実施したところ、2019年度のAI投資予算は「1億円以上〜5億円未満」が最も多く、1億円以上が3割超を占めた。2020年度のAI投資予算については、前年度と比べて「増加した」「やや増加した」が6割以上を占め、「減少した」「やや減少した」は1割以下だった。
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