第1弾は「移動式サウナ」、KDDIが未来の生活を実現する共創プロジェクト開始:イノベーションのレシピ(2/2 ページ)
FUTURE GATEWAYの第1弾プロジェクトとして発表されたHoppin'Saunaは、「いつでもどこでも“ととのえる”」をコンセプトとして移動式サウナを開発するという試みである。“ととのう”とは、サウナ入浴中に心身のバランスが理想的に仕上がった状態を指す言葉である。Hoppin'Saunaでは最新のテクノロジーを用いることで、“ととのう”体験をどこでも提供できる「移動式サイバーフィジカルコンディショニングシステム」の実現を目指す。
具体的には「自動運転」「バイタルセンサー」「5G」「分散型水循環システム」の4つのテクノロジーを組み合わせて活用する予定だ。小型バスのような自動運転車の内部をサウナ用空間として改装した上で、バイタルセンサーによって入浴者の身体の状況をモニタリングして最適な湿度、温度を提案するシステムを導入する。また5Gを使うことで、外気に当たって身体を冷やす「外気浴」というフェーズに、風だけでなく自然の風景映像や環境音などを車内に流す。分散型水循環システムを活用することで、シャワーも車内で浴びられる環境を導入する予定だ。この他、内装に使うアイテムは、環境に配慮した素材を材料として3Dプリンタで制作する。利用者の好みに合わせて内装をカスタマイズできる仕組みの導入を目指すという。
Hoppin'Saunaで採用予定のテクノロジー群※出典:KDDI[クリックして拡大]
バイタルセンサーについてはVIE STYLEが開発する脳活動センサーを、分散型水循環システムはWOTAの水再生率98%を実現する自律分散型水循環システムの活用をそれぞれ予定している。
VIE STYLE(左)とWOTA(右)の技術を活用する予定※出典:KDDI[クリックして拡大]
Addres Hopperの市橋氏※出典:KDDI[クリックして拡大]
Hoppin'Saunaの発案者であるAddres Hopper CEOの市橋正太郎氏は、1カ所に定住することなく世界各地のホテルや民宿を転々と旅をするように移動する「アドレスホッピング」を実践している。
市橋氏はHoppin'Saunaのアイデアを発想した理由について「アドレスホッピングは各地で新しい体験ができて刺激が多い分、心身の疲れがたまることも多い。そのため自律神経を落ち着けてリラックスするため、各地でサウナに入浴しており、その流れで私自身もサウナのプロデュースなどを手掛けてきた。しかし、行く先々に必ずサウナ施設があるわけでも、十分に“ととのう”ことができる環境が整備されているわけでもない。このため、いつでもどこでも理想のサウナ体験を実現できる環境を実現したいと考えた」と語った。
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