情報通信研究機構は、0.1T〜2.8THzで動作し、計測精度が16桁の小型周波数カウンターを開発した。Beyond 5G、6G時代の高精度かつ高信頼性の計量標準技術として、周波数標準器の較正サービスに活用する予定だ。
情報通信研究機構は2021年7月29日、0.1T〜2.8THzのテラヘルツ帯で動作し、計測精度が16桁の小型周波数カウンターを開発したと発表した。次世代情報通信基盤であるBeyond 5G、6G時代の計量標準技術として、電波産業などのさまざまなニーズに応え、周波数標準器の較正サービスに活用する予定だ。
開発したカウンターは、室温で動作し、ナノレベルの超格子構造を持つ半導体ハーモニックミキサー(周波数混合器)を採用。入力したマイクロ波帯の局部発振器信号を基にテラヘルツ基準が等間隔で多数生成し、それらを広範囲に分布する精密な目盛りとして使うことで、テラヘルツ波の周波数測定ができる。
従来システムと異なり、超短パルスレーザーが不要のため、装置の小型化と運用コストの削減が期待できる。また、原子時計からのマイクロ波標準信号を直接入力でき、堅牢かつ信頼性の高いテラヘルツ周波数の較正が可能だ。
テラヘルツ周波数カウンターの測定性能には、2種類の相補的な評価系を使って4オクターブを超える0.1T〜2.8THzの帯域で計測限界を確認し、カウンター本来の計測限界が1×10−16以下と実証した。短時間でテラヘルツ周波数を高精度に決定可能で、将来は3.7THzまで動作帯域を拡張できる見込みだ。
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