SCREENホールディングスは、機能が劣化した臓器を生体外灌流することで、短時間で機能蘇生することに成功した。血液灌流すると、生体内移植時と同程度に肝臓代謝能が蘇生した。
SCREENホールディングス(SCREEN)は2021年7月14日、血流の循環が停止して機能が劣化した臓器を生体外灌流(かんりゅう)することで、短時間で機能蘇生することに成功したと発表した。慶應義塾大学との共同研究による成果だ。
SCREENが開発した臓器灌流システムを用いて、機能が劣化したブタ肝臓を機械灌流し、メタボローム解析を実施したところ、3時間以内に機能蘇生が示された。また、灌流に血液を使用すると、生体内に移植した場合と同じ程度まで、肝臓の代謝能が機能蘇生した。
灌流とは、臓器や組織に液体を流し込むこと。心停止や脳死状態のドナー臓器を機械的に灌流して機能蘇生させ、移植用臓器として活用する試みが欧米諸国で始まっている。臓器は血液が送られなくなると機能が劣化するが、機械灌流によってどの程度の時間で機能蘇生するかは明らかになっていなかった。
SCREENでは、2015年から臓器灌流システムの装置開発を開始。理化学研究所と共に基本システムの構築に成功しており、実用化に向けた共同研究を慶應義塾大学と開始している。
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