「Day1」では小田氏の基調講演に続いて、Cloudera、オートデスク、アルテアエンジニアリングから、先進デジタル技術を生かした設計や製造の品質向上へのソリューションなどが紹介された。
「“つながる”と“データ”で実現! モノからコトづくり事業変革」をテーマとした講演を行ったのが、Cloudera ビジネスディベロップメントマネージャーの宇高慶太氏である。製造業を取り巻く事業環境は、製品のコモディティ化とデジタル技術の進化によって激化している。宇高氏は、製造現場、サプライチェーン、製品のデータを「つなぐ」という点、さらにそれを「活用する」という点を強調し、コトづくりへデジタル変革(DX)した事例や勘所を紹介。これらに対し、Clauderaのソリューションがどう貢献するかを説明した。
Clouderaは2008年に設立された機械学習と高度な分析のための次世代データプラットフォームを提供するグローバルベンターである。製造業におけるOT(制御技術)やITなどで得られるさまざまな種類のデータを統合して活用するため、データソリューション「Cloudera Date Platform」を提供することを訴求。「工場や生産設備の稼働データ(IoTセンサーデータ)を含めて、ERP、MES、PLM、保守など社内業務システムのあらゆるデータをまとめて収集、加工することができる」と宇高氏は述べている。
オートデスク 技術営業本部 シニアテクニカルセールススペシャリストの清水元氏は「『設計』×『品管』×『製造』の情報連携が品質向上のカギ」をテーマに、設計領域における品質向上への取り組みについて説明した。
「品質・コスト」の8割は「設計」で決まるといわれているが、量産時に不具合を発見しても、部門間で導入されているシステムやツールの違いにより、データ(情報)の連携が不足することで、品質不良やリードタイムの遅延が発生する。清水氏の講演では、コミュニケーション不足と品質技術の伝承にフォーカスを当て、品質不良の改善また削減についての取り組みを紹介した。
オートデスクでは各部門で利用するデータ(情報)を一元管理し、その情報を製品設計、購買品管理、生産計画、製造などでロスなく連携させ、1つのデジタルの情報として流す「コネクテッド・デジタル・ワークフロー」の実現を訴えている。分断された部門間のデータ(情報)を双方向でつなぐことで、品質改善だけでなく、品質保証体制の強化と生産性向上の両方を実現する重要性について解説した。
アルテアエンジニアリングは「機械学習を品質保証に活かす! エンジニアリング会社が提供するソリューション」をテーマに、執行役員 副社長の阿部大生氏が講演を行った。
品質保証と機械学習の組み合わせは大きな注目を集めているが、人材不足や複雑なシステム構築、データ不足が足かせとなり、品質保証に機械学習を導入することは困難な場合が多い。この課題解決に向け、プログラミングの知識がなくても扱え、既存のシステムを生かせるアルテアエンジニアリングの機械学習ツールとシミュレーション技術を組み合わせることで、導入へのハードルをクリアしつつ、機械学習を取り込み、予測精度を上げることができるという。
阿部氏は「機械学習の知識がなくても、ディープラーニングを使ったり、クラスタリングで分類したりすることもできる。見える化についてもストリーミングデータをリアルタイムで可視化するツールも用意している、シミュレーションで得られるデータなども組み合わせたソリューションを提供できるところも特徴だ」と述べている。
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