名古屋大学は、内視鏡検査時の感染リスクを低減するマスクを開発した。気管支鏡などの内視鏡検査時に患者が装着することで、飛沫拡散を防止する。「Kenz e-mask」という名称で、2021年11月に発売予定だ。
名古屋大学は2021年6月17日、内視鏡検査時の感染リスクを低減するマスクを開発したと発表した。気管支鏡などの内視鏡検査時に患者が装着することで、飛沫(ひまつ)拡散を防止する。マスクメーカーと共同で特許を出願しており、スズケンから「Kenz e-mask」として同年11月に発売を予定している。
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日常生活で使用する不織布のサージカルマスクをベースに設計しており、使い捨て、かつ低コストに利用できる。必要な時にすぐに使用できるよう、あらかじめ内視鏡挿入孔と吸引カテーテル用の切れ込みを入れてある。
微粒子高感度可視化実験により、マスクを装着した被験者が咳(せき)をした際に浮遊する微粒子を検証したところ、あおむけ、横向き、座位のいずれでもマスクがない状態と比べて飛沫を防御できた。また、マネキンを使った実験では、マスクを使用しても検査時間に影響はなかった。
横向きや座位でも飛沫防御効果があるため、気管支鏡検査だけでなく、上部消化管内視鏡や咽喉頭内視鏡でも活用できる。また、新型コロナウイルスやインフルエンザの診断に使われる、鼻咽頭ぬぐい液採取などへの応用も期待される。
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