ヤマハ発動機と新明和工業が次世代小型航空機の共同研究に合意製造マネジメントニュース

ヤマハ発動機と新明和工業は2021年6月29日、次世代小型航空機の共同研究に合意したと発表した。次世代小型航空機の事業化の可能性を探るとともに、市場の反応を見ながら今後の方向性を検討していく。

» 2021年06月30日 07時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ヤマハ発動機と新明和工業は2021年6月29日、次世代小型航空機の共同研究に合意したと発表した。次世代小型航空機の事業化の可能性を探るとともに、市場の反応を見ながら今後の方向性を検討していく。

初期試験に用いる検証機。新明和工業が調達、組み立てを担当する(クリックして拡大) 出典:ヤマハ発動機

 共同研究では、ヤマハ発動機が航空機分野への小型エンジン技術の応用を検討する。新明和工業は、飛行艇をはじめとする各種機体の開発で培った設計や製造技術を小型航空機に応用し、概念設計や試作、試験、自動化技術の検証などに取り組む。

 新明和工業は、航空機に関しては飛行艇と民間航空機向けの部品製造を主力事業としている。飛行艇は、防衛省で水陸両用飛行艇「US-2」が救難飛行艇として運用されている。防衛省向け航空機の改造や整備も手掛ける。民間航空機では、ボーイングやエアバス、ボンバルディアと取引がある。

検証機に搭載予定のヤマハ発動機のベースエンジン(クリックして拡大) 出典:ヤマハ発動機

 ヤマハ発動機は、産業用無人ヘリコプターやマルチコプタータイプのドローンを展開している。また、2023〜2024年の事業化に向けて、ドローン向けのシリーズハイブリッドシステムも開発中だ。エンジンを発電機として使い、航続時間を伸ばすことを狙っている。

 シリーズハイブリッドシステムの試作モデルは、連続飛行時間は最長約4時間、ペイロード(燃料+積載物)は最大約25kgを想定しており、マルチコプタータイプの大型ドローンに試作モデルを搭載しての実証実験も行った。

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