車載ビジョンシステム向けFPGAを発表、競合比で消費電力を75%低減 : 組み込み開発ニュース
Lattice Semiconductorは、組み込みビジョンシステムに適した車載アプリケーション向けFPGA「Lattice CrossLink-NX FPGA」を発表した。最大10Gbpsの伝送速度を有するMIPI D-PHYインタフェースに対応している。
Lattice Semiconductorは2021年4月13日、車載アプリケーション向けFPGA「Lattice CrossLink-NX FPGA」を発表した。先進運転支援システム(ADAS)や車載インフォテインメント(IVI)システムなどの組み込みビジョンシステムに適している。
車載アプリケーション向けの「Lattice CrossLink-NX FPGA」 出典:Lattice Semiconductor
FD-SOI製造プロセスとFPGAアーキテクチャを組み合わせた「Lattice Nexus FPGA」プラットフォームを基としており、競合FPGAと比較して消費電力を最大75%低減した。消費電力を抑えることで、ADASやIVIシステムの熱設計に寄与する。
車載用電子部品の規格「AEC-Q100」のグレード2(周囲温度105℃)に準拠し、ソフトエラーレートは競合品と比べて100分の1に抑えた。MIPI D-PHY(4レーン)トランシーバーを2つ実装しており、最大10GbpsのMIPI D-PHYインタフェースに対応する。また、5GbpsのPCIe Gen 2、DDR3メモリなど複数の高速I/Oをサポート。I/Oの起動時間は3ミリ秒、全デバイスの起動時間は15ミリ秒に抑えた。
1ロジック当たり170ビットのメモリを確保しており、画像データを高効率に処理できる。パッケージは4×4mmのWLCS(0.4mmピッチ)から17×17mmのBGA(0.8mmピッチ)までを用意する。
「Lattice Radiant」「Lattice Propel」「Lattice mVision」「Lattice sensAI」ソリューションスタックにも対応しており、車載向けビジョンシステム設計の迅速化が可能となる。
いまさら聞けない FPGA入門
あなたは、人に「FPGA」を正しく説明できるだろうか? いまや常識となりつつあるFPGAについて、あらためてその概念から仕組み、最新動向までを解説する。(編集部)
FPGAの特徴とは? 他デバイスと比較してみよう
MONOistの人気解説記事「いまさら聞けないFPGA入門」が公開された2006年9月から10年以上が経過し、FPGAを取り巻く状況も大きく変わっています。そこで、あらためてFPGAの基礎から最近の動向までを含めて解説する「新・いまさら聞けないFPGA入門」を公開します。前編は、FPGAの特徴について、ASICやASSP、GPU、CPUと比較して説明します。
FPGAの力を引き出す3種の開発ツールとは
あらためてFPGAの基礎から最近の動向までを含めて解説する「新・いまさら聞けないFPGA入門」。後編は、FPGAの最大の特徴を引き出すのに用いる最新のツールと、FPGAの採用が広がっている新たな市場について紹介します。
ザイリンクスがAIカメラ向けSOM製品「Kria」を発表、スターターキットは199ドル
ザイリンクスはAI(人工知能)カメラ向けに同社のプログラマブルSoC「Zynq UltraScale+ MPSoC」やメモリ、周辺部品などを小型ボードに集積したSOM製品「Kria(クリア)」を発売する。第1弾の「Kria K26」などをセットにしたスターターキット「Kria KV260」の価格は199米ドル(約2万1500円)と安価だ。
「世界最小」の組み込みFPGAエッジコンピューティングモジュールを開発
PALTEKは、ザイリンクスの「MPSoC」を搭載した「世界最小」(PALTEK)とする組み込みFPGAエッジコンピューティング向けの「So-Oneモジュール」を開発した。エッジ側の情報機器端末に、5Gの普及で必要な高速演算処理を実行できるエッジコンピューティングを実装可能になる。
低遅延が求められる産業機器のエッジAI、ザイリンクスの処理性能は「GPUの8倍」
Xilinx(ザイリンクス)が産業機器や医療機器、監視カメラなどISM分野の事業戦略について説明。FPGAやプログラマブルSoCなどを用いた同社のソリューションは、ISM分野で求められる低遅延の条件において、GPUと比べて最大8倍のAI処理性能を実現できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.