PALTEKは、ザイリンクスの「MPSoC」を搭載した「世界最小」(PALTEK)とする組み込みFPGAエッジコンピューティング向けの「So-Oneモジュール」を開発した。エッジ側の情報機器端末に、5Gの普及で必要な高速演算処理を実行できるエッジコンピューティングを実装可能になる。
PALTEKは2020年10月20日、ザイリンクスの「MPSoC」を搭載した「世界最小」(PALTEK)とする組み込みFPGAエッジコンピューティング向けの「So-Oneモジュール」の販売を開始した。37×38mmと小型ながら、エッジ端末で生成される情報を高速に処理できる。
同モジュールの活用により、エッジ側のさまざまな情報機器端末に、5Gの普及で必要となる高速演算処理を実行可能なエッジコンピューティングを実装できるようになる。
これまで実装が難しかった、ドローンなどへの高速エッジコンピューティング搭載が可能になる他、店舗の監視カメラや工場のラインセンサーカメラなどでのエッジコンピューティング、病巣のAI(人工知能)診断支援、産業用ロボットの映像解析などを高速化できる。
また、搭載するザイリンクスのMPSoCは、低消費電力で低コストのデザインを製品化できるため、システム全体のシステムコストや消費電力の削減に貢献する。
エッジコンピューティングの活用により、情報処理に関するいくつかの課題が改善される。まず、通信の遅延時間を短縮するため、リアルタイム性が向上する。また、端末側で発生したデータをクラウドに上げる場合は、データ通信料やクラウドサーバの容量確保などのコストが発生し、データが漏えいするリスクもある。エッジ側で処理することにより、システム運営コストや漏えいリスクを低減する。
So-Oneモジュールは、産業グレードで製造され、量産品へ組み込むことも可能だ。なお、So-Oneモジュールを搭載するキャリアボードは、ユーザーが必要なインタフェースに応じて用意する。キャリアボードを開発しない場合は、仕様に合わせてPALTEKが受託開発するサービスもある。
PALTEKは今後、ザイリンクスの統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis AI開発環境」を活用して、So-OneモジュールをベースとしたエッジAIソリューションを構築し、拡充していく。
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