自分の力で行きたいところに行ける自由を、技術で支えられるかオートモーティブメルマガ 編集後記

「タクシーがあればいいでしょ」という話ではないのです。

» 2021年04月14日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 この記事は、2021年4月14日発行の「オートモーティブ メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


自分の力で行きたいところに行ける自由を、技術で支えられるか

 先日、ふと思い立ってここ数年の日本の自動運転技術に関する記事を掘り返してみました。あまり派手な移り変わりではなかったかもしれませんが、あるものは量産され、あるものは現実的な作り方にメドがつき、1つ1つが形になってきたことをひしひしと感じました。

 「だからクルマの技術っていいんだよな」と思います。いまだに渋滞が多くの人を悩ませていて、悲惨な交通事故のニュースが後を絶たないとしても、技術は必ず前に進むし、前に進むことで救われる人を増やしていけるからです。交通事故によってケガする人や亡くなる人を減らすだけではありません。自分の力で自分が行きたい場所に安全かつ自由に行けることは、誰にとっても恩恵です。

 掘り返す自動運転技術の記事は、2013年前後からと決めていました。私が社会人になった2013年は、ITS世界会議が東京で開催された年で、東京モーターショーの開催年でもありました。CEATECと合わせて、秋の3つのイベントが自動運転技術を盛り上げていたからです。同じ年、2013年1月のCESでは、Googleが公道で自動運転のテストを始めたことに触発されたトヨタ自動車が、自動運転技術の開発車両を発表していました。いま写真を見るとセンサーの載せ方が不格好で全く洗練されていません。しかし、ここ数年の進化があるからこそ、「洗練されていない」と思えるわけですよね。開発車両の走りやクルマに搭載するコンピュータの大きさは、大きく変わったことでしょう。

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