ザイリンクスは、高性能エッジコンピューティング向けに「Artix UltraScale+ FPGA」「Zynq UltraScale+ MPSoC」を発表した。TSMCのInFOパッケージ技術を採用し、従来よりも70%小型のフォームファクタで提供する。
ザイリンクスは2021年3月16日(現地時間)、FPGAファミリー「UltraScale+」の新製品として、高性能エッジコンピューティング向けに「Artix UltraScale+ FPGA」「Zynq UltraScale+ MPSoC」を発表した。TSMCのInFO(Integrated Fan Out)パッケージ技術を採用し、従来のチップスケールパッケージより70%小型のフォームファクタで提供する。
Artix UltraScale+ FPGAは、16Gbpsのトランシーバーを搭載し、高いDSP演算密度を備える。FPGAアーキテクチャをベースに構築され、マシンビジョン、高速ネットワーク、8K対応ビデオ放送などに対応する。
Zynq UltraScale+ MPSoCは、消費電力とコストを重視している。新製品の「Zynq UltraScale+ ZU1」は、Armプロセッサベースのマルチコアプロセッササブシステムを搭載し、エッジコネクティビティに特化している。エンベデッドビジョンカメラ、AV-over-IPによる4Kおよび8K対応ストリーミング、ハンドヘルド測定器など、小型で演算負荷の高いアプリケーションに適している。ZU1のほか、量産実績のある「ZU2」「ZU3」もInFOパッケージで提供する。
いずれの製品も、従来品と同じプラットフォームを使用可能で拡張性に優れ、開発期間の短縮に貢献する。また、RSA-4096認証、AES-CGM復号、DPA対策、独自のセキュリティモニターIPなど、従来と同レベルの堅牢なセキュリティ機能を備える。
Artix UltraScale+は、2021年第3四半期までに量産開始予定で、ツールサポートの開始は夏ごろを予定している。Zynq UltraScale+ ZU1は、サンプル出荷を同年第3四半期、ツールサポートを第2四半期、拡張したポートフォリオの量産開始は第4四半期を予定している。
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