JOLEDが印刷方式の有機ELディスプレイパネルの量産出荷を開始した。10〜32型の中型パネルであり、ブランド名「OLEDIO」の下で、ハイエンドモニターや医療用モニター、車載機器向けなどに生産していくとしている。
JOLEDは2021年3月29日、印刷方式の有機ELディスプレイパネルの量産出荷を開始したと発表した。10〜32型の中型パネルであり、ブランド名「OLEDIO」の下で、ハイエンドモニターや医療用モニター、車載機器向けなどに生産していくとしている。
同社は、RGBの有機EL材料を印刷によって塗布し発光層を形成する、独自技術の「TRIPRINT」により有機ELディスプレイパネルを製造している。現在スマートフォンなどに用いられている有機ELディスプレイパネルは蒸着方式で製造されているが、印刷方式は高い技術力が必要とされる一方で、生産工程はシンプルで効率的であり、蒸着方式では難しいとされる中型〜大型サイズの製造に適しているとされる。
今回量産出荷を開始したOLEDIOについては、製品Webサイトで32型4K、27型4K、22型4Kなどのラインアップを紹介している。例えば、32型4Kは、画面寸法が697.9×392.6×800.7mm、精細度が139dpi、ピーク輝度が540cd/m2、コントラスト比が100万:1、パネル厚が1.22mm、重量が1040gとなっている。
JOLEDは印刷方式の有機ELディスプレイパネルについて、2017年にパイロットラインでの生産を開始し、2019年から量産ラインを稼働してサンプルの試作を進めていた。今回の試作から量産への移行に併せて、2021年3月29日には後工程工場である千葉事業所(千葉県茂原市)で製品出荷式を開催している。
JOLEDはこれまでに、ソニーの医療用モニターや、EIZOのハイエンド用モニター、エイスース(ASUS)のプロフェッショナルモニターなどへのサンプル提供事例がある。2021年1月には、LG電子(LG Electronics)とクリエイティブプロフェッショナル向けの32インチモニターの開発で協業することを発表している。また、トヨタ自動車のコンセプトカー「LQ」向けの有機ELディスプレイをデンソーと共同開発するなど、中型ディスプレイを求めるさまざまな業種との協業も積み重ねている。
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