Report Oceanは、金属3Dプリンティング市場に関する調査レポートを公開した。世界の金属3Dプリンティング市場は、2020〜2027年の予測期間にわたって32.5%超の成長率で成長すると予想している。
Report Oceanは2021年3月15日、金属3Dプリンティング市場に関する調査レポートを公開した。世界の金属3Dプリンティング市場は、2019年に約7億7000万米ドルと評価されており、2020〜2027年の予測期間にわたって32.5%超の成長率で成長すると予想している。
金属3Dプリンティングは、複雑な構造や小さなデザインの製造に使用される技術となる。金属粉末を使って層ごとに製造するため精度が高く、製造業者はさまざまな種類の金属とその合金を使用可能になった。さらに、金属の順列と組み合わせにより、耐久性が高く、経済的で、各種産業、商業用途に適した商品を製造できる。
市場は現在、複雑な設計と構造、低い製造コスト、リードタイムの短縮、廃棄物の削減、航空宇宙や防衛、自動車産業からの需要増加に伴う製品のマスカスタマイゼーションによって推進されている。そのため主要企業は、製品の発売や合併、買収、パートナーシップなど、競争を優位に進めるためにさまざまな戦略を採用している。
例えば2019年11月には、RenishawがSandvik Additive Manufacturingと提携。新しいアディティブマニュファクチャリング(AM)製品を使用した生産アプリケーションの資格を得た。これらの製品には、各種の金属粉末とプロセスに合わせて調整できる合金組成やレーザー粉末床溶融(LPBF)プロセスの材料特性が含まれている。この提携によりRenishawは、3Dプリント用の新しい金属製品を製造している。
同年2月には、Booster、Orbex、ArianeGroupがAMプロセスロケットエンジンの開発を発表した。Relativity Spaceは、積層造形を使用してロボット工場を立ち上げるという契約をNASA(米国航空宇宙局)と結んでいる。
また、調査では、近年のさまざまなセグメントと国の市場規模を定義し、今後8年間の値を予測する。世界の金属3Dプリンティング市場の地域分析は、アジア太平洋、北アメリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、その他の地域などの主要地域で検討している。
北米は、航空宇宙、防衛、自動車産業での需要増加により、世界の主要かつ重要な地域となる。アジア太平洋地域は、2020〜2027年の予測期間にわたって、最高の成長率を示すと予想する。同地域全体の金属3Dプリンティング市場は、複雑な設計と構造を持つ製品のマスカスタマイゼーション、低い製造コスト、リードタイムの短縮、生産中の廃棄物発生の削減などの要因から、有利な成長見通しを生み出すとしている。
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