オムロンは2021年3月24日、検出に特化したシンプルな仕様で必要十分な機能を備え、容易な装置立ち上げを可能にするファイバーセンサー新製品「E3X-ZV シリーズ」を同年4月1日からグローバルで販売開始すると発表した。
オムロンは2021年3月24日、検出に特化したシンプルな仕様で必要十分な機能を備え、容易な装置立ち上げを可能にするファイバーセンサー新製品「E3X-ZV シリーズ」を同年4月1日からグローバルで販売開始すると発表した。
ファイバーセンサーは、光の反射や透過の機能を生かし、物体の有無や通過などを検知し、設備を動作させるタイミングなどを制御するセンサーで、さまざまな製造設備や装置などで活用されている。基本的には光の発信や検出そのものを行うアンプ部分と、実際に光を当て、反射させたり検出したりするヘッド部分で構成されているが、用途に合わせてラインアップ数が増え続けてきたことが、業界全体の課題となっていた。
特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による需要の急増減や、昨今の半導体不足などの状況で、装置や製造設備を急に立ち上げる必要があるケースが増えており、こうした場合に、装置内で活用するファイバーセンサーの選定や、チューニングなどの負荷を低減する必要が出てきていた。
こうしたニーズに応えるためにオムロンが投入するのが、ファイバーセンサー「E3X-ZV シリーズ」である。「E3X-ZV シリーズ」は、必要十分な機能に絞り込み、アンプ部を基本的には1種類としたことが特徴だ。その結果、用途に応じた複雑な機種の選定を行う必要がなく、商品に関する知見が少ない技術者でも機種選定に迷うことがなくなる。
また、使用方法についても、従来のファイバーレーザーセンサーでも採用するスマートチューニング機能で簡単に行える。これは、通常時と検知させたい時の2回ボタンを押すだけで設定が行える機能である。これにより、簡単で迅速に設備を立ち上げることが可能となる。
さらに、表示部の一体型構造など、設計や調達、製造を見直し、品質を維持したままシンプル化し、コスト削減を実現。1chモデルでは標準価格で従来モデルより1800円下げ、8500円とした(2chモデルは1万3500円)。
用途としては、あるかないかの判定として活用することを想定している。「より複雑な認識を行いたい場合は、さらに高機能で用途を特化したものなどで対応する。一方で、ファイバーセンサーの多くの役割を担う『ありなし判定』については、使い方が限られており、必要十分な機能に絞り込んだ新製品で集約できる面も大きい」(オムロン)とそれぞれの役割を位置付けている。グローバルで展開し、販売目標は初年度10万台を目指す。その後は「年間で数十万台の水準に高めていく」(オムロン)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.