アステラス製薬が無菌製剤製造ラインを新設、モダリティ製剤にも対応可能:工場ニュース
アステラス製薬は、焼津技術センター内に新設する無菌製剤製造ラインの着工を発表した。今後の新しいモダリティ製剤にも対応可能な新施設により製造能力を向上し、製品を安定供給できる体制を確立する。
アステラス製薬は2021年1月25日、生産子会社のアステラス ファーマ テックの焼津技術センター内に新設する、無菌製剤製造ラインの着工を発表した。
同技術センターでは、主に商用および治験薬用の固形製剤を製造している。総工費約180億円を投じて新設するのは、抗体医薬品の商用製剤と治験薬製剤の製造ラインで、今回着工したのは商用製剤のラインとなる。治験薬の製造ラインは同年7月に着工予定だ。
商用製造ラインは、焼津技術センターの5号棟内に建設する。5号棟は6階建てで、延床面積が約3万m2、建築面積が約8000m2となっている。
商用製造ラインが新設される5号棟 出典:アステラス製薬
治験薬の製造ラインは、同技術センターのATC棟内に新設。ATC棟は4階建てで、延床面積が約7000m2、建築面積は約1800m2だ。
治験薬製造ラインが新設されるATC棟 出典:アステラス製薬
新施設は、高い技術が要求される今後の新しいモダリティ製剤にも対応可能で、無菌製剤の製造能力を向上する。同社は開発から商用化までシームレスで安定した生産体制を構築することにより、製品の安定供給と新薬の開発、商用化を加速する。なおアステラス製薬は、アステラス ファーマ テックを2022年4月1日に吸収合併する。
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