「10年革新のない市場」に新たな波を、ブラウンが2枚刃の携帯シェーバー発売イノベーションのレシピ

ブラウンは2021年1月25日、通常のシェーバーよりも小型化で携帯性の高いモバイルシェーバーとして「BRAUN mini」を同年1月29日から発売すると発表した。モーターとブレードをつなぐ部分の構造を新たに設計することで、「携帯性」「高パフォーマンス」「デザイン性」の3点を同時に実現する機体を開発した。

» 2021年01月27日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ブラウンは2021年1月25日、通常のシェーバーよりも小型で携帯性の高いモバイルシェーバーの新モデル、「BRAUN mini」を同年1月29日から発売すると発表した。モーターとブレードをつなぐ部分の構造を新たに設計することで、「携帯性」「高パフォーマンス」「デザイン性」の3点を同時に実現した。メーカー希望小売価格は5980円(税別)。

モバイルシェーバーの新モデルとしてBRAUN mini[クリックして拡大]

新構造で高パフォーマンスと小型化を両立

 BRAUN miniは「携帯性」「高パフォーマンス」「デザイン性」の3つを特徴とするモバイルシェーバーだ。本体サイズは幅60×奥行き27×高さ110mmで、本体重量は150gと小型軽量。1時間の充電(急速充電時は5分)で最大40分間駆動する。完全防水で丸ごと洗いすることも可能だ。

浮き沈みする2枚刃*出典:ブラウン

 モバイルシェーバーの主流である1枚刃ではなく、「ディープキャッチ網刃」とマイクロコームである「トリマー刃」の2枚刃を搭載した。トリマー刃が長いひげを整えてカットし、その後、ディープキャッチ網刃がひげを根元からそる。ブレード部分は肌に合わせて浮き沈みし、肌の凹凸に密着しやすい構造となっている。これによって、前機種である「BRAUN M-90」よりも高いパフォーマンスを発揮できるようになったという。

 デザインは1962年に発売し人気を博したシェーバーのモデル「Sixtant(シックスタント)」を踏襲し、「スマートフォンのようなかっこよさ」(ブラウン)を実現している。

 ただ、これらの特徴を同時に実現する上では苦労もあったという。ブラウン シニア ブランド マネージャーの大槻開氏は「デザイン性と携帯性を両立するためには、本体をコンパクトなものにする必要があった。しかし、そうなると十分に深ぞりできるパフォーマンスを実現するのが難しい。モーターとブレードをつなぐ、バランスのよい構造を新たに開発する必要があった」と振り返った。

“10年間イノベーションが起こらなかった市場”に革新を

 モバイルシェーバーは通常のシェーバーよりも軽量小型で持ち運びがしやすいため、外出先でも手軽にひげをそれる。例えば、男性の中には「出勤前にそったひげが、夕方にはもう伸びている」といった悩みを抱える人もいるが、モバイルシェーバーを使えばオフィスや出先でも簡単にひげを処理して、身だしなみを整えられる。

 ただ、モバイルシェーバーの市場は現時点で、シェーバー市場全体の2%程度の約17億円という規模にとどまる。「モバイルシェーバーは広告で露出することが少なく、認知度が低い。そもそも、モバイルシェーバーの未経験者は外出先でひげをそる習慣がまだない上、普段使いのシェーバーと別の“2台目”のシェーバーを使う発想もないことが市場背景としてある」(大槻氏)。

 一方で、ブラウンが未経験者に対してヒアリング調査を行ったところ、「小型でも十分なパフォーマンスを発揮する機器があれば使用したい」といったニーズがあることも判明したという。こうしたニーズに応える製品として開発したのがBRAUN miniだ、と大槻氏は語る。BRAUN miniの展望については、「モバイルシェーバー市場は10年間イノベーションが起こらなかったといわれるような市場だった。ここに革新性のあるBRAUN miniを市場投入することで、モバイルシェーバー市場全体で50億円市場規模にまで拡大したい」(大槻氏)と意気込みを見せた。

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