アセントロボティクスは、「第5回 ロボデックス」において、産業用ロボット向けAI(人工知能)ソフトウェア「Ascent Pick(アセントピック)」を用いたばら積みピッキングのデモを披露した。今回の展示会出展を契機に本格的な提案活動を進めるという。
アセントロボティクスは、「第5回 ロボデックス」(2021年1月20〜22日、東京ビッグサイト)において、産業用ロボット向けAI(人工知能)ソフトウェア「Ascent Pick(アセントピック)」を用いたばら積みピッキングのデモを披露した。今回の展示会出展を契機に本格的な提案活動を進めるという。
Ascent Pickは、ロボットの先端に接続した3Dカメラでばら積み状態の部品を撮影し、その画像データをAIで解析して最もピッキングしやすい部品を選ぶAIソフトウェアだ。デモでは3Dカメラにインテルの「RealSense」使用しており、ロボットコントローラーとは別途用意したPCによりRealSenseで取得したデータのAI分析を行い、イーサネットスイッチを介してロボットコントローラーを制御する。
機械学習ベースのAIソフトウェアの場合、データ収集やラベル付けなどのデータ準備作業の負荷が大きいことが課題になっている。Ascent Pickは、ロボットハンドとピッキング対象となるワークの3D CADデータがあれば、それを基に多様なデータを生成して機械学習を行えるため、手間のかかるデータ準備作業が不要だという。また、3Dカメラとして、価格が数万円と安価なRealSenseを利用できる点も大きな特徴になる。
Ascent Pickでピッキングする際には、ばら積み状態にされた部品のあるワークスペースを3Dカメラでマッピングした上で、そのマッピングデータを入力としてAIが最適なピッキング位置を算出する。
また、現場へのセットアップも短時間で済ませられる。例えば、ロボット、周辺機器の設置が30分、ロボットの設定が5分、カメラの設定が10分、マッピングなどの領域の設定が15分、動作確認が15分で、計1時間15分という事例を示した。
現時点でAscent Pickが対応しているロボットメーカーは、デモで披露したユニバーサルロボットとテックマンの他、川崎重工やファナックがある。「対応するロボットメーカーを広げるのは容易だ。実際に、今回デモを披露したテックマンへの対応も短期間で完了できた」(アセントロボティクスの説明員)という。
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