第2位は、これまたCOVID-19関連の記事「新型コロナで深刻なマスク不足を3Dプリンタで解消、イグアスが3Dマスクを開発」でした。
国内での感染が拡大する中、3月ごろから市販のマスクがドラッグストアなどから消え、手に入らない状況がしばらく続いたことは皆さんも記憶に新しいところでしょう。そんな当時の深刻なマスク不足の時期に、いち早く3Dプリンタを活用してマスク製作に乗り出したのがイグアスです。
イグアスは、IT製品などの販売・サービスを行う専門商社で、10年ほど前から3Dプリンタの一次代理店として機器販売なども手掛けています。日々、機器販売やサポートはこなしていましたが、本格的なモノづくり経験はゼロ。そんな中、深刻なマスク不足に対して、自分たちの施設や設備を活用してマスクを作ることはできないか? とスタートしたのが3Dプリンタ製マスク「イグアス3Dアウターマスク」の開発プロジェクトです。
詳細は、開発秘話を取り上げた記事「3Dマスク誕生秘話、本格的なモノづくり未経験で量産化まで実現できた理由」をご覧いただきたいと思いますが、企画開始からわずか1週間で3Dマスクのデータを完成させ、次のステップである量産化につなげていくことに成功しました。モノづくり経験ゼロの企業が量産化までたどり着くことができたのはなぜか? ぜひ記事でご確認ください。
ちなみに、イグアスに続き、3Dプリンタでマスクを作るという流れが生まれるとともに、急速に支援の輪が広がったのがフェイスシールドの製作です。今回の年間ランキングの第5位に「クリアファイルが新型コロナ対策用フェイスシールドに、3Dデータ無償公開」がランクインしています。
そして、第3位もCOVID-19関連。CFD(数値流体力学)ソフトを用いたくしゃみによる飛沫シミュレーションの話題を取り上げた記事「マスクの着用効果をCFDで解析、くしゃみをした際に液滴はどう飛散するか?」です。まさか第1〜3位までCOVID-19に絡む話題とは……。
MSC Softwareグループ傘下のソフトウェアクレイドルが、同社のCFDソフト「scFLOW」を用いて、くしゃみによる微粒子の飛距離が、防護なし、肘の内側による防護、マスクの着用でどのように変化するのかを解析し、その結果をレポートにまとめたという内容です。
それぞれの結果については、記事をご覧いただきたいと思いますが、年末年始に向けて、会食や帰省を予定されている方も多いかと思います(自粛の呼び掛けも始まっていますが)。人に会う機会の増える今こそ、飛沫感染のリスクについて、あらためて理解を深めてみてはいかがでしょうか。12月に入って公開した記事なので年間ランキングには入ってきていませんが、スパコン「富岳」を用いた飛沫の飛散シミュレーションの解説記事「『富岳』で新型コロナ飛沫の大量計算を実施、感染リスクはどこにある?」も掲載しています。併せてご覧ください。
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