工業、自動車、医療機器の機能安全認証を取得した最新版RTOSを提供開始:組み込み開発ニュース
BlackBerryは、機能安全認証を取得したOSの最新版「QNX OS for Safety 2.2」の提供を開始した。「IEC 61508 SIL3」(工業)、「ISO 26262 ASIL D」(自動車)、「IEC 62304 Class C」(医療機器)の機能安全認証を取得している。
BlackBerryは2020年11月9日、機能安全認証を取得したリアルタイムOSの最新版「QNX OS for Safety 2.2」の提供を開始した。自動車や組み込みソフトウェア開発などにおいて、認証取得作業を軽減し、迅速なシステム開発を可能とする。
最新版のQNX OS for Safety 2.2は、「QNX Neutrino RTOS」をベースとする。第三者認証機関のテュフ ラインランドから、「IEC 61508 SIL3」(工業)、「ISO 26262 ASIL D」(自動車)、「IEC 62304 Class C」(医療機器)の機能安全認証を取得している。
さらに、「ISO 26262」「IEC 61508 TCL3/T3」の要件に準拠したC/C++ツールチェーンも採用している。これにより、QNXの機能安全性製品に安全認証取得済みのC++ランタイムライブラリが含まれることとなった。
同社は、最新版のQNX OSを利用することで、開発期間を短縮しながら安全性や信頼性の高いシステムを開発し、開発費用の削減が可能になるとしている。
- いまさら聞けない 機能安全入門
あなたは、人に「機能安全」を正しく説明できるだろうか? 機能安全基本規格「IEC 61508」を基に機能安全の基礎とその概要について解説する
- あらためて「ISO26262」の全体像を把握しておこう
自動車分野向けの機能安全規格「ISO26262」。本稿では、正式発行を控え、日本の自動車業界でも対応作業が本格化し始めているこのISO26262の概要・全体像についてあらためて説明する。
- ISO26262対応を始める前に理解しておくべきこと
国内の自動車メーカー各社や大手ティア1サプライヤは、自動車向け機能安全規格であるISO 26262への対応を加速させている。その一方で、中規模以下のサプライヤは、ISO 26262対応を進められていないのが現状だ。本連載では、中小サプライヤを対象に、ISO 26262に取り組む上での実践的な施策について紹介する。
- 車載向けハイパーバイザーがASIL D認証を取得
BlackBerryの「QNX Hypervisor 2.0 for Safety」が、第三者認証機関のテュフ・ラインランドから、自動車分野の機能安全規格で最高水準となる「ISO 26262 ASIL D」認証を取得した。
- ECUの統合化で必要な通信のセキュリティは「ブラックチャネル」で守る
ブラックベリーは、自動車や産業機器などのセーフティクリティカルが求められるシステムにおける安全なデータ通信を保証するソフトウェアソリューション「QNX Black Channel Communications Technology(QBCCT)」の販売を開始した。
- ドライバーの運転パターンをAIでモニタリング、QNXとサイランスの技術を融合
ブラックベリー(BlackBerry)は、「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、グループ傘下のQNXとサイランス(Cylance)の技術を融合したソリューションを披露した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.