IoT利用率はわずか6.8%、IDCが国内IoT市場動向を調査製造マネジメントニュース

IDC Japanは、国内IoT市場の企業ユーザー動向調査の結果を発表した。具体的なユースケースは社内用途が多く、DX利用はわずかなこと、また、IoT導入後も半数以上の企業がいまだにPoC以前の段階であることなどが分かった。

» 2020年11月25日 09時00分 公開
[MONOist]

 IDC Japanは2020年11月10日、国内IoT(モノのインターネット)市場の企業ユーザー動向調査の結果を発表した。調査は、同年8〜9月に全国の従業員規模100人以上の企業を対象に、「IoT利用企業動向調査」「IoT担当者深堀調査」の2つのWebアンケートを実施。3674社から回答を得られた。

 IoT利用企業動向調査では、企業のIoT利用率や具体的なユースケースを調査。IoT利用率は6.8%で、前年比で0.1ポイント、2015年比で1.9ポイント増加した。具体的な利用用途は、社内業務プロセスの合理化やコスト削減を目的とした「社内用途」が多く、顧客向け製品、サービスの付加価値創出など目的とした「DX利用」はわずか1.5%にとどまった。

キャプション 勤務先でのIoTの利用割合(クリックで拡大) 出典:IDC Japan

 IoT利用企業の多くは、短期的には働き方改革や業務プロセス変革などの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する対応を優先するが、長期的には、CX(顧客経験価値)向上やデジタルビジネスの創造、サプライチェーン強化などを推進する傾向が強まるとみられる。

キャプション 新型コロナウイルス感染症の感染拡大中に取り組んだこと、拡大収束後に取り組むべきこと(クリックで拡大) 出典:IDC Japan

 IoT担当者深堀調査では、対象企業におけるIoTの取り組み状況や課題などを調査。その結果、対象者が所属する企業においては、IoTの取り組みを開始後、4〜5年経過していても、半数以上がいまだにPoC(概念実証)以前の段階であることが分かった。

 また、IoT担当者が抱える課題として、IoT関連の人材や技術面の知見が不足していること、IoTに対するビジネス現場の理解や組織間連携が不足していること、さらに収益性の見通しが難しかったり、経営者の理解が不足しているなどの要因があることが分かった。

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