製油所向けプラント巡回点検防爆ロボットの実用化に向けて共同開発へロボット開発ニュース

三菱重工業は、プラント巡回点検防爆ロボット「EX ROVR」の実用化に向け、第2世代機の共同開発契約をENEOSと締結した。第2世代機の開発では、マニピュレーターの実装やソフトウェアの改良により、EX ROVRが取得するデータの量と質を向上する。

» 2020年10月06日 08時00分 公開
[MONOist]

 三菱重工業は2020年9月10日、プラント巡回点検防爆ロボット「EX ROVR(エクスローバー)」の実用化に向け、第2世代機の共同開発契約をENEOSと締結したと発表した。

 EX ROVRは、製油所での巡回点検作業を想定した自律走行ロボット。引火性ガスの中の作業でも、自らの火花や熱で爆発や火災を引き起こすことのない防爆性能を持つ。

 日本の防爆指針や国際的な防爆認証ATEX/IECExに適合した防爆設計により、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)で安全に使用できる。また、火災や爆発の危険が常に存在するプラントにおいて、人の代わりにより細かい巡回ができるため、プラントの信頼性やコスト効率の向上が期待できる。

 今回の契約は、両社が2018年4月に結んだ「防爆型現場監視ロボットのフィールド適用可能性に係る共同研究契約」に続くものだ。既に、2019年度までに実施したプロトタイプ機によるフィールド実証で、複数階層間の自律的な移動や、センサーからのデータ取得など、EX ROVRが基本的な機能要件を備えることを確認している。

 第2世代機の開発では、計器に正対して撮影するためのマニピュレーターの実装や、ソフトウェアの改良などを計画しており、現場で取得するデータの量と質の向上を図る。また、顧客のユーザビリティを高め、実用化を目指す。

キャプション プラント巡回点検防爆ロボット「EX ROVR」第2世代機のイメージ(クリックで拡大) 出典:三菱重工業

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