三菱重工業は、消防隊員が接近できないような火災現場で活躍する「放水砲ロボット」「ホース延長ロボット」の実戦配備型機を発表した。消防用ホースでつながったまま自動運転で火元まで移動し、消火水源への走行中も自動でホースを敷設する。
三菱重工業は2019年3月22日、「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」の実戦配備型機を発表した。また同日、東京都調布市の消防大学校消防研究センターで、2機の性能を公開実演した。
ロボット2機種は、石油コンビナートなど消防隊員が接近できないような火災現場で活躍する消防ロボットとして開発された。農業用の小型バギーを改造した車体にGPSやレーザーセンサーを搭載しており、自動運転が可能だ。2機は消防用ホースでつながったまま、車間距離を保ちながら目的地である火元まで移動する。
放水砲ロボットは、センサーとしてRTK-GPS、RIDAR、IMU、オドメトリを搭載。放水砲からは1.0Mパスカルの圧力で1分間に4000リットルの水や泡を放出できる。外形サイズは長さ2170×幅1460×高さ2070mmで、質量は1600kg、移動速度は時速7.2km(秒速2m)だ。
ホース延長ロボットは、内径150mm(呼び径150A)の消防用ホースを最長300mまで搭載できる。火元に到着すると、放水砲ロボットはその場に残り、ホース延長ロボットだけがポンプ車や消火栓などの水源に向かって走行しつつ、ホースを敷設する。ホースの送り出しと巻き取りを自動で調整することにより、曲がり角のある経路にも適切に敷設し、放水砲ロボットへ効率良く水を供給する。
2機のロボットは、飛行型と走行型の「偵察、監視ロボット」と「指令システム」を組み合わせた「消防ロボットシステム」として、専用の運搬車両1台に搭載して現場に移動できる仕組みになっている。
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