2019年10月に、2014年4月以来の消費税率引上げが実施されたが、これによる中小企業への影響について見てみたい。GDPの個人消費について、2014年と2019年の消費税率引上げ前後を比較すると、2019年10月の消費税率引上げに伴い一定程度の駆け込み需要の反動減があったことが分かる(図14)。
他方で、2014年4月の消費税率引上げと比べると、今回の駆け込み需要と反動減は前回ほどでなかったとみられる。また、景況調査を用いて消費税率引上げ前後における中小企業の売上DIの推移をみると、いずれの業種においても、売上DIは消費税率引上げ時に低下しているものの、前回の消費税率引上げと比較すると、サービス業を除き低下幅は小さい(図15)。
中小企業に対して行った消費税率引上げによる業績への影響調査の結果をみても、消費税率引上げ前の6月調査の結果と比べて、消費税率引上げ後の11月調査では「全く影響はないと思う」と回答した事業者が約1割増加し、反対に「かなり影響があると思う」と回答した事業者が約1割減少しており、全体として、消費税率引上げ前に想定したほど業績への影響はなかった可能性がある(図16)。
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