モーションリブは、医療従事者が手先の感覚を確かめながら、非対面でPCR検体を採取できる遠隔操作システムを開発した。模型を用いた基礎検証実験では、遠隔操作システムを通して感覚的に操作できることを確認した。
モーションリブは2020年9月10日、医療従事者が手先の感覚を確かめながら、非対面でPCR検体を採取できる遠隔操作システムを開発し、その基礎検証を実施したと発表した。慶應義塾大学、横浜国立大学との共同研究による成果だ。
同システムは、慶應義塾大学が開発した機械やロボットの力加減を自在に制御する触覚技術「リアルハプティクス」と、その実装を簡便にするためにモーションリブが開発した汎用力触覚ICチップ「AbcCore」を組み合わせて開発。ロボットは医療従事者の動作と同じ動きをし、ロボットに伝わる感触は医療従事者にフィードバックされる。模型を用いた基礎検証実験では、遠隔操作システムを通して感覚的に操作できることを確認した。
また、同システムを通じて取得した医療従事者の動きをデータとして記録し、システムが自動で同じ動作を再現することもできる。カメラやスピーカーなどを利用した医療従事者の誘導と組み合わせることで、検体採取の自動化の可能性を確認した。
新型コロナウイルス感染症などの感染症では、感染の有無を確認するために医療従事者による検体採取が必要となる。従来の手法では、被験者と対面で行うため、医療従事者の感染リスクが課題になっていた。
→特設サイト「新型コロナウイルス 製造業が直面する未曾有の試練」
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