日立製作所は、工業用間接資材通信販売で国内最大手のMonotaROが新たに開設する物流倉庫「猪名川ディストリビューションセンター(仮称)」向けに、日立インダストリアルプロダクツ製の小型AGV(無人搬送車)「Racrew(ラックル)」約400台を含む搬送設備と倉庫制御システム(WCS)を受注した。
日立製作所(以下、日立)は2020年8月25日、工業用間接資材通信販売で国内最大手のMonotaROが新たに開設する物流倉庫「猪名川ディストリビューションセンター(仮称)」(兵庫県猪名川町)向けに、日立インダストリアルプロダクツ製の小型AGV(無人搬送車)「Racrew(ラックル)」約400台を含む搬送設備と倉庫制御システム(WCS)を受注したと発表した。
MonotaROは事業規模拡大に向けて物流網の拡充に取り組んでいる。新たな物流倉庫としては、東日本で「茨城中央サテライトセンター(仮称)」(茨城県茨城町)を2021年に、西日本で猪名川ディストリビューションセンターを2022年に開設する計画だ。
猪名川ディストリビューションセンターは延床面積が約13万m2で、MonotaROが運用する物流倉庫の中では最大規模となる。日立は、Racrew約400台を含む搬送設備とWCSを一括して2022年3月に納入する予定である。
MonotaROと日立は2015年からロジスティクス分野での協創を進めてきた。2017年と2019年には、MonotaROの「笠間ディストリビューションセンター」(茨城県笠間市)にRacrewを合計260台以上納入。茨城中央サテライトセンター向けでも、Racrew約80台を含む搬送設備とWCSを2021年3月に納入することが決まっている。
Racrewは、工場の製造ラインや倉庫業、通信販売業の配送センター向けに、部品や商品の保管量、工場内レイアウトの変更に柔軟に対応し、指定した位置まで棚やパレットを自動搬送できる小型AGV。MonotaROの物流倉庫では、商品を保管している棚ごと指定位置まで自動搬送することにより、人手とカート台車を用いる従来のピッキング作業と比べて3倍以上の作業効率向上を実現できているという。
また、Racrewと倉庫内の搬送設備全体の制御を行うWCSの連携により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大後に求められる新常態(ニューノーマル)に対応した先進の物流倉庫として、大幅な効率化と生産性向上に貢献する。将来的に日立とMonotaROは、現在導入検討を始めている倉庫管理システム(WMS)およびロボティクスのさらなる活用で、最適な作業指示や人、設備などのリソースコントロールを行う機能を強化するなど、システムのさらなる高度化を目指す。
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