グループ傘下のダイハツ工業も回復が進んでいる。6月単月のグローバル生産台数は、前年同月比14.9%減の9万8899台と4カ月連続で減少したものの、減少幅は5月から56.4ポイント改善した。国内は同5.5%減の6万9434台と3カ月連続のマイナスだが、5月比で47.6ポイント改善。登録車は「ロッキー」とトヨタ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ライズ」の小型SUV兄弟が好調で、同16.1%増と過去最高を更新した。海外も改善しており、同31.0%減の2万9465台と4カ月連続の減少でも、5月からは62.1ポイント回復した。特にマレーシアの販売が好調で、インドネシアと合わせた海外販売は同3.7%増と4カ月ぶりにプラスへ転じた。
ダイハツの2020年上期のグローバル生産は、前年同期比25.9%減の62万2237台と4年ぶりに前年実績を下回った。国内は軽自動車の伸び悩みやCOVID-19感染拡大による生産停止などで同12.2%減の41万5741台と2年ぶりのマイナス。ただ、登録車はロッキー/ライズ効果で同30.0%増と伸長し、上期として過去最高を更新した。海外は大きく落ち込み同43.6%減の20万6496台と4年ぶりに減少した。インドネシアでの生産停止の長期化が響いた。
ホンダも回復傾向が鮮明となっている。6月単月のグローバル生産台数は前年同月比11.7%減の38万9451台と11カ月連続の減少となったものの、マイナス幅は5月から40.1ポイント改善した。国内は同17.5%減の6万4662台と10カ月連続のマイナス。ただ、悪化が続いていた減少幅は21.2ポイントの改善に転じた。国内以上に回復したのが海外で、同10.4%減の32万4789台と9カ月連続のマイナスだったが、5月比では44.1ポイントの改善を見せた。地域別では中国が同24.1%増と好調で2カ月ぶりのプラス。6月として過去最高を記録した。これに伴いアジアも同0.9%減まで戻している。北米も順調で、同15.5%減と5月から61.6ポイント回復した。
ホンダの2020年上期のグローバル生産は、前年同期比34.1%減の177万4207台と5年ぶりに前年割れとなった。国内は同21.9%減の36万9251台と5年ぶりのマイナスだった。新型「フィット」の投入や「N-WGN」の生産再開といったプラス要因はあったものの、COVID-19感染拡大による国内市場の停滞や各国のロックダウンに伴う輸出の大幅減などで落ち込んだ。海外は同36.7%減の140万4956台と2年連続の減少だった。主力市場の北米が同40.8%減と2年連続で減少した他、好調だった中国もCOVID-19の影響で同18.6%減と5年ぶりのマイナスに転じた。その結果、アジアも同30.8%減と低迷した。
8社の中で最も大きな落ち込みを見せたのが日産だ。2020年上期のグローバル生産台数は、前年同期比40.8%減の146万214台と3年連続で前年実績を下回った。世界的な販売不振による生産調整に加えて、COVID-19感染拡大による生産停止の影響が重なった。
国内生産は同42.5%減の23万2329台で3年連続のマイナス。国内販売が「ノート」や「セレナ」「エクストレイル」など登録車の販売が低迷したことに加えて、輸出が同44.9%減と大幅に減少した。海外生産も同40.4%減の122万7885台と低迷し、3年連続の前年割れとなった。米国が同58.4%減、メキシコが同43.6%減、英国が同52.4%減と主力拠点がそろって台数を大きく落とした。唯一比較的堅調だった中国もCOVID-19の影響により同20.2%減と低迷した。
厳しい状況の日産だが、足元の生産は回復基調を示している。6月単月のグローバル生産は前年同月比31.3%減の25万7965台と9カ月連続で減少したものの、減少幅は5月より31.3ポイント改善した。このうち海外は同25.3%減の23万3001台と5月比で34.6ポイント改善。地域別では台数ボリュームが最も大きい中国が同32.4%増と2カ月連続のプラスで大幅増を記録した。また、北米も同42.7%減と依然として大きなマイナスとなったものの、5月に比べて55.7ポイント改善した。一方、英国は同73.4%減と大きく減少。工場閉鎖を発表したスペインは0台だった。国内は、国内販売の低迷に加えて輸出が同83.1%減と大幅なマイナスとなった結果、同60.8%減の2万4964台と落ち込みが目立った。ただ、減少幅は5月より17.9ポイント改善した。
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