工程管理の基本機能は、顧客から受注した一定数量の製品について、要求仕様を満足させ性能を保証した上で、それらを所定の期日までに生産するために、立案された計画に基づき、最も経済的かつ合理的な資材および労力の投入と機械設備の運用を図り、自部門はもとより関連する全部門の活動を総括的に統制することにあります。
すなわち、具体的には営業や技術部門を通して受注した製品について、その仕様を満足し、顧客要求納期に間違いなく納入できるように、設計・資材・原料・品証などの工場内の関連部門および関連協力企業先と協力し、さらに生産に対する経済性を十分に考慮しながら、各担当製造部門に作業指示をして製品の製造を完成させることにあります。
この意味から、工程管理は、工場生産の中核的な存在を成しており、分業化された各部門間の隙間を埋めるなどの補完機能の役割を果たし、生産に携わる全ての部門の有機的結合を図っているともいえます。
そして、この基本機能は、計画、統制、監査の3つの機能に分かれています。これら3つの機能は、図5のように循環しており、常に計画へのフィードバックが行われて初めて工程管理の機能が十分に発揮されます。つまり、計画に基づき、統制された結果の分析結果が計画へフィードバックされますので、計画の精度向上へとつながっていきます。
ここで重要なのは、「決めたことは皆で守ろう!」という強い意思です。これがなければ、どんなに高い精度で計画を立案しても砂上の楼閣にすぎないということになってしまいます。それぞれの機能の内容は、図6に示す通りです。
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