工程管理は、科学的管理をベースとして運用されなければなりません。「科学的管理」とは、働く人たちの主観的な経験や技能の上に成り立っていた作業や工程に関するいろいろなルールなどを、客観的かつ科学的(考え方や行動の仕方が、論理的、実証的で、系統立っている)に整理して管理するマネジメントの考え方です。
そのためには、管理サイクルPDCAの“P(Plan)”、すなわち事前計画の確立が必須条件となります。工程管理は、部品や製品の製作期間を管理する機能体系ですから、顧客との約束納期の厳守を目標とし、製品別、各工程の部署別に材料や部品の動く順序と加工完了期限を指示する日程計画をまず立案しなければなりません。納期を厳守するためには、全ての作業が、この納期厳守に配慮して立案された生産日程計画に従って実行されることが必要です。この意味で日程計画は、工程管理の基準(よりどころ)であるということがいえます。
生産計画の種類としては、特定の製品について、設計や試作から納入までを計画する「製品別生産計画」、同時に流れる複数の製品を“いつ”“どのような順序で”処理すべきかを職場単位で決める「部門別生産計画」、長期や短期という期間の視点から分類した「日程計画(期間別生産計画)」などがあります。一般的によく活用されている「日程計画」は、段階的に年間・期別計画は「大日程計画」、当月計画は「中日程計画」、当日・週計画は「小日程計画」のように分けられます。
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