キヤノンは、100万画素の撮像が可能なSPADイメージセンサーを開発した。SPADイメージセンサーは、入射した光子1つを増倍し、1つの大きな電気パルス信号を出力できるダイオードを画素ごとに並べた構造を有する。
キヤノンは2020年6月24日、100万画素の撮像が可能なSPAD(Single Photon Avalanche Diode)イメージセンサーを開発したと発表した。人間の目では捉えられない化学反応や物体の落下、衝突時の破損の様子などを詳細に撮影でき、幅広い分野での応用が期待される。
SPADイメージセンサーは、入射した光の粒子(光子)1つを増倍し、1つの大きな電気パルス信号を出力できるダイオードを画素ごとに並べた構造を有する。光子1個から多くの電子に増倍するため、撮像時の高感度化や測距時の高精度化に寄与する。
新たな回路技術を採用しており、フォトンカウンティングの原理による100万画素のデジタル画像の出力が可能となった。また、グローバルシャッター機能を搭載し、露光時間を3.8ナノ秒にまで短縮。1bitの出力で最大2万4000フレームレートの高速撮影ができ、短時間内に起こる高速な現象のスローモーション撮影に対応する。
高解像度かつ高速撮影が可能になったことで、複数の被写体が折り重なっている複雑なシーンでも精度よく3D測距ができる。さらに、100万ピコ秒までの時間分解能を有しており、Time of Flight方式による距離測定が可能。高性能ロボットの視覚機能などの用途が見込まれる。
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