日本企業の多くが未成熟、国内企業のデータ運用成熟度製造ITニュース

IDC Japanは、国内企業におけるマルチクラウドのデータ運用成熟度調査の分析結果を発表した。データ管理におけるユーザー成熟度分布では、少数の先進的企業に対して、未成熟な企業数の割合が多いことが分かった。

» 2020年07月03日 09時00分 公開
[MONOist]

 IDC Japanは2020年6月8日、国内企業における、マルチクラウドのデータ運用成熟度調査の分析結果を発表した。同社が作成したデータ管理におけるユーザー成熟度分布では、二極化とまではいかないものの、少数の先進的企業に対して、未成熟な企業数の割合が多いことが分かった。

 調査は、国内の従業員100人以上の企業を対象に、Webアンケートによって実施。企業のデータ運用の成熟度を、第1段階の「未整備」(データ運用の仕組みの大部分が未整備な状態)から、「途上前期」(整備途上だが、改善点が多く残っている状態)、「途上後期」(整備が進み、課題を残す部分が少ない状態)、「要件充足」(仕組みが組織全体に整い、ビジネス要件を満たした状態)、最終段階の「迅速な適応」(仕組みがシステムとして組織全体に整い、規制や競合などの環境変化に素早く対応できる状態)に分類した。

 成熟度の分布は、データの利用度やクラウドとの連携状態、分析能力、人材などのリソース、データ品質の整備状況、データガバナンスの状況、データ管理ソフトウェアによる自動化といった細分化項目に、データ活用の業務への貢献度を加えて評価した。その結果、成熟度の高い先進的な企業は少数であり、未成熟の企業の割合が多いことが分かった。

キャプション データ管理におけるユーザー成熟度分布 出典:IDC Japan

 同社は、「クラウドサービスの利用は大きなメリットをもたらしてはいるが、データ運用面では、マルチクラウド連携、コンプライアンス順守、コストコントロールなどの新要件が加わる。一部の企業は効果的な仕組みでデータ運用の課題に対応しているが、多くの場合、環境整備は十分とはいえず、データ運用基盤の戦略的な再構築が必要な状況だ」としている。

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