IoTの“ブラウンフィールド”を切り開く、「Azure Sphere」のアダプター型新製品IoTセキュリティ(1/2 ページ)

アットマークテクノが新製品「Cactusphere」のオンライン発表会を開催。マイクロソフトが展開するMCU搭載IoTデバイス向けセキュリティソリューション「Azure Sphere」を組み込んでおり、セキュリティ機能を持たない既存設備を即座にIoT化できることを特徴としている。

» 2020年06月24日 10時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 アットマークテクノは2020年6月23日、新製品「Cactusphere(カクタスフィア)」のオンライン発表会を開催した。マイクロソフトが展開するMCU搭載IoT(モノのインターネット)デバイス向けセキュリティソリューション「Azure Sphere」を組み込んでおり、セキュリティ機能を持たない既存設備を即座にIoT化できることを特徴としている。同年6月29日に発売予定で、価格(税別)は1台当たり1万7900円から。

「Azure Sphere」を搭載するIoTアダプター「Cactusphere」 「Azure Sphere」を搭載するIoTアダプター「Cactusphere」(クリックで拡大) 出典:アットマークテクノ

 Cactusphereは、Azure Sphereに準拠する専用チップ「Azure Sphere MCU」としてメディアテック(MediaTek)が開発した「MT3620」を搭載するIoTアダプターだ。通信機能やセキュリティ機能を持たない既存の設備や機器に接続することで、その制御データなどをクラウドに収集、蓄積し、見える化や分析などを行えるようにする。

 外形寸法は幅71.1×長さ90×奥行32.2mmで、35mmDINレールに固定できるようになっている。ネットワーク接続は、2.4GHzと5GHzに対応したWi-Fiとイーサネットを利用できる。最初に出荷する接点入力モデルは、4チャネルのフォトカプラ絶縁入力を持ち、約100Hzまでのパルスカウンタ機能も備える。

「Cactusphere」の外観「Cactusphere」の外観 「Cactusphere」の外観。電源系統も、DC入力の他、PoE対応のイーサネット、microUSBインタフェースの3つを用意している(クリックで拡大) 出典:アットマークテクノ

 ハードウェア面ではほぼ機能が固定されているが、ソフトウェアについてはカスタマイズが可能だ。ダッシュボードなどによるデータの可視化は、マイクロソフトのクラウド「Azure」の「IoT Central」とアットマークテクノがGitHubで公開しているテンプレートの組み合わせで可能になる。Azureの「IoT Hub」を使えば、クラウド側でのデータ処理や分析などIoT Centralだけでは難しい機能も開発できる。さらに、GitHubで公開されているデバイスのソースコードを用いれば、Cactusphere内部でのデータ処理なども行えるようになる。

「Cactusphere」のカスタマイズ 「Cactusphere」のカスタマイズ(クリックで拡大) 出典:アットマークテクノ

 既存設備のデータを取得するインタフェースとしては、接点入力、RS485、アナログ入力などを想定しており、まずは4チャネル接点入力モデルを2020年6月29日に発売する。以降、同年7月にイーサネットがPoE(Power over Ethernet)に対応する4チャネル接点入力、8月にRS485モデル、10月に4チャネルアナログ入力モデル、12月に4チャネル接点出力モデルを投入する計画だ。

ラインアップと価格発売時期 「Cactusphere」のラインアップと価格(左)、発売時期(右)(クリックで拡大) 出典:アットマークテクノ

 また、Cactusphereの発売に合わせて、先着50人限定の特典として、大阪自動電機のフットスイッチ「OFL-S-P2B」1台と、SYNTEX TECHのマグネットセンサー「SPS-320」2台を添付するという。

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