さらに、新規開発した高出力青色レーザー発振器器(波長465nm)と古河電気工業の近赤外シングルモードファイバーレーザー(波長1070nm)を組み合わせたハイブリッド型のレーザー溶接ソリューションを開発し、2021年1月に製品化する予定である。
青色レーザーによる短波長の光吸収率を生かし素材となる銅への安定した入熱を実現し溶融ムラを起こさずスパッタやブローホールのない高品質な加工が行える一方、近赤外ファイバーレーザーによる高深度、高速加工の強みを組み合わせることで、加工精度と加工速度などを両立した溶接が実現できる。
古河電気工業 ファイテル製品事業部門 主幹技師の繁松孝氏は「近赤外ファイバーレーザーはビーム品質が良く1点にエネルギーを集中させることができ深度で効果を発揮する一方で、青色レーザーは光吸収率が高いので加工領域周辺にビームを当てることで熱を入れやすく加工の品質を高めることができる。実証でも大幅にスパッタを低減することに成功している。技術的にはスパッタレスも可能だと考えている」と品質について語っている。古河電気工業 千葉事業所にアプリケーションラボを設置し、テスト加工に対応していくとしている。
ハイブリッドレーザー溶接ソリューションの価格については「今はまだ示すことができない」としている。古河電気工業 ファイテル製品事業部門長 太田寿彦氏は「価格については検討している段階だが、まずは今までできなかった溶接加工が行えるという価値を訴えていきたい」と語っている。今後は、電動化によって広がるサプライチェーンに対応しながら顧客の開拓を進めていく方針だ。
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