この記事は、2020年5月29日発行の「FAメールマガジン 」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
ここ最近、工場領域の技術発表などを見ている中で、技術的にこなれてきて実用ベースで使いやすいものの投入が本格化してきたと感じるのが、カメラなどの画像とAI(人工知能)関連技術を組み合わせたパッケージ製品です。特にAI外観検査装置などのパッケージは、用途向けでパッケージ化を進め、現場の技術者に余計な負担をかけずに導入できるものが増えてきているように感じます。
例えば、2020年5月20日にはパナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社がリンクウィズと共同開発を進めていた溶接外観検査ソリューション「Bead Eye」を発表しました(※) 。これは、パナソニックが開発した学習済みAI(人工知能)エンジンとリンクウィズの3次元データ解析技術を組み合わせて簡単にさまざまな溶接欠陥を自動検査できるというものです。「価格帯は数千万円オーダー」(パナソニック)と決して安いものではありませんが、溶接作業そのものはロボットを使った自動化が進んでいる領域でもあり、検査工程も自動化することで、効率化が進められるとしています。
(※)関連記事:溶接検査の人員を半減できる、パナソニックが自動外観検査システムを発売
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1分間540個のチーズをAIで検査、検査人員20人を省人化した六甲バター神戸工場
Q・B・B ブランドで知られる六甲バターは2019年10月に新たな製品検査装置として、AI(人工知能)を活用した最終製品検査システムをベビーチーズ工程において導入し、成果を生み出しつつあるという。2年半かけて導入したという。同社の取り組みを紹介する。
第4次産業革命で変わる検査と品質向上の取り組み
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第21回となる今回は、IoTやAIを活用することで品質向上への取り組みがどのように変化するのかという点を紹介します。
人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。
AIとロボットの組み合わせは工場自動化に何をもたらし、何をもたらさないのか
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2019年1月22日、大阪市内でセミナー「MONOist IoT Forum in 大阪」を開催した。大阪での同セミナー開催は3度目となる。中編では特別講演のOKIデータ 生産統括本部 LED統括工場 生産技術部 第2チームチームリーダーの新井保明氏と、同社技術開発本部 要素技術センターチームリーダーの谷川兼一氏による講演「ロボットを用いたAI生産システム」の内容を紹介する。
工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。
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