日本電機工業会(JEMA)は2020年5月25日、IoT(モノのインターネット)による製造業の変革に関する提言書「製造業2030」の2019年度版を公開した。
日本電機工業会(JEMA)は2020年5月25日、IoT(モノのインターネット)による製造業の変革に関する提言書「製造業2030」の2019年度版を公開した。
IoTが生み出す変化は第4次産業革命ともいわれ、製造業のビジネスモデルを大きく変革しようとしている。こうした動きを受けてJEMAも2015年8月にスマートマニュファクチャリング特別委員会を発足し、製造業革新に向けての提言を行ってきた。こうした中で2016年5月に提言書「製造業2030」を初めて発表し、それ以降、毎年提言書を更新してきた(※)。
(※)関連記事:JEMA「製造業2030」が進化、FBMの活用を具体化
JEMAの「製造業2030」では、製造業のビジネスの基本単位として「FBM」を定義している。「FBM」は、生産を含む製造業のビジネス機能群がリアルタイムにかつフレキシブルに働き、ビジネスモデルや機能の組み合わせを変化させるという製造業モデルである。基本的なバリューチェーンを構成する要素として、サプライヤー、ユーザーなどの主体者や、販売、生産、エンジニアリング、企画、商品開発、品質保証、保守などの製造業のライフサイクルを構成する工程などを規定。これらをFBMプラットフォームとして、バリューチェーンにおいて組み合わせることで表現する。
FBMが実現することで、製造業はよりフレキシブルにモノの調達、製造の工程を変えることができ、情勢の変化に追従が可能となる。今回の提言書では、企業を越えて、部品、調達先、製造ラインなどの属性情報を共有し、即座に最適化が可能になるモデルを定義し、その属性を選択・評価できるフレームワークを規定した。2019年度はFBMモデルの評価方法の具体化をテーマとした。
FBMに関係するステークホルダー(利害関係者)の位置付けを定めた他、FBMサービスを具体的に定義し、個々のサービス要素の対象プロセスを明確にした。さらに属性の構造の概要を定義し、FBMサービスの選択やFBMモデル評価を具体化した。また「製造委託バリューチェーンのデザイン」「制御盤製造の最適バリューチェーン」「BCPに基づくバリューチェーン再構築」「MESオペレーションとの連携」の4つのユースケースを策定し、具体的な活用例を示した。
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