IVIとJEMAはハノーバーメッセ2018に出展し、IVIが提案する「IVRA-Next」やJEMAが提言する「製造業2030」などを紹介した。
インダストリアルバリューチェーンイニシアチブ(IVI)と日本電機工業会(JEMA)は、ハノーバーメッセ2018(2018年4月23〜27日、ドイツ・ハノーバーメッセ)に出展し、IVIが提案する新たなモノづくりの実現戦略「IVRA-Next」やJEMAが提言する製造業の将来像「製造業2030」などを紹介した。
IVIとJEMAはスマートマニュファクチャリングおよび電機産業振興で連携、協力していくことで覚書(MOU)を締結。「国際活動および国際標準化活動」「研究交流および人材交流」「会員間交流の促進」「人材育成の相互支援」「研究施設・設備の相互利用」などで協力していく方針を示している※)。
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その一環として今回ハノーバーメッセ2018に共同で初めて出展。IVIでは主に従来公開してきた参照モデル「IVRA」を発展させたつながるモノづくりの実現戦略「IVRA-Next」を中心に紹介した他、JEMAでは2015年度から取り組むIoTによる製造業の変革に関する提言書「製造業2030」について紹介した。
「IVRA-Next」は、IVIが2016年に発表したスマート製造の参照モデル「IVRA」をさらに推し進め、実践戦略として打ち出したもの。IVIが設立時から打ち出す製造現場の解決シナリオ「緩やかな標準」を水平展開するための「共通辞書」の価値を訴えたことなどが特徴である。IVI エバンジェリストの高鹿初子氏は「IVI理事長の西岡靖之氏の講演やパネルディスカッションなどもあり、その中でIVRA-Nextも紹介していることから、海外からの来場もまずまずだった。一方で出展および来場している日本企業からの来場者も多かった」と手応えについて語っている。
JEMAでは2015年にスマートマニュファクチャリング特別委員会を発足し、電機業界における課題を抽出して電機業界における将来像の提言を開始。2015年度版、2016年度版と更新を重ねてきている※)。
※)関連記事:2030年の製造業にIoTがもたらす将来像、JEMAが提言する「FBM」
2015年版「製造業2030」では、「顧客価値の最適化」「製品設計の効率化」「製造設備構築の効率化」「生産運用の最適化」「プロダクトライフサイクルマネジメントの最適化」の5つの技術的トレンドに加え、製造業のビジネスモデルとして「Flexible Business and Manufacturing(FBM)」などを提言。「FBM」は、生産を含む製造業のビジネス機能群がリアルタイムにかつフレキシブルに働き、ビジネスモデルや機能の組み合わせを変化させるという製造業モデルである。ハノーバーメッセ2018では、この「FBM」などを紹介した。
さらに、これらのFBMの具体例として、制御盤のモジュール化についての課題整理や課題解決のフローを明確化した「制御盤2030」などについても解説。制御盤内の将来像として、レイアウトフリー化や小スペース化、工数削減、小型化などを実現する姿を描き、その取り組みの1つとしてオムロンの制御盤への取り組みを紹介していた。
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