アルプスアルパインは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に用いられる人工呼吸器の増産に対応するため磁気式エンコーダ「EM11Bシリーズ」を増産する。従来比で5倍に当たる月産10万個の生産体制を整えた。
アルプスアルパインは2020年4月27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に用いられる人工呼吸器の増産に対応するため磁気式エンコーダ「EM11Bシリーズ」を増産すると発表した。従来比で5倍に当たる月産10万個の生産体制を整え、順次提供を開始している。
EM11Bシリーズは、人工呼吸器を使って疾病患者に送還する空気の量や気圧、吸入時間の調整や、それらのモード変更などを行う操作デバイスとして採用されている磁気式エンコーダだ。操作軸の回転量または移動量から、どの方向にどれだけ回転・移動したかを検出して、デジタル電気信号への変換と出力を行う機能を備えている。「優れた操作性と信頼性、小型などの特長が認められ、高い評価を得てきた」(同社)という。
なお、今回の増産体制は、他用途向けの生産を一時的に調整するなどして確保している。このため、オーディオ/テレビや自動車といった用途でEM11Bシリーズを採用している顧客に対して「ご迷惑をお掛けする場合がございますが、何とぞご理解・ご協力賜りますようお願いします」(同社リリースより抜粋)としている。
COVID-19感染拡大に伴い、肺炎症状などの治療に必要な人工呼吸器や人工心肺装置が全世界で不足している。このため、医療機器メーカーをはじめとする国内外のさまざまな製造業が人工呼吸器や人工心肺装置の増産を進めている。アルプスアルパインのEM11Bシリーズの増産はこの需要に対応するものだ。
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