IDC Japanは、スマートシティー関連テクノロジー支出額の予測を発表した。2020年の同分野への支出総額は、前年比18.9%増の約1240億ドル(約13兆4000億円)に達する見通しだ。
IDC Japanは2020年2月27日、スマートシティー関連テクノロジー支出額の予測を発表した。2020年の同分野への支出総額は、前年比18.9%増の約1240億ドル(約13兆4000億円)に達する見通し。このうち約29%が、2019年に同テクノロジーへ活発に投資した上位100都市の支出額になるという。
都市別の支出規模の傾向は、年間1億ドル(約108億円)以上投資している都市が80都市未満、年間100万ドル(約1億800万円)以下の都市が全体の70%ほどを占める。こうした投資額上位都市の成長も短期的には続くが、スマートシティーソリューションが大規模プロジェクトで培った経験を生かして、中小都市向けに手頃なスマートイニシアティブを実施できる機会が訪れているとする。
ユースケース別では、2019年はスマートグリッドなどにけん引され、再生可能エネルギーとインフラに関するユースケースが全体の3分の1以上を占めた。その他、データ駆動型公共安全およびインテリジェント交通制御の支出額が、それぞれ全体の18%と14%を占めた。
電気やガスなどのスマートグリッド関連の投資シェアが最大だが、今後市場が成熟して他のユースケースが主流化すると、スマートグリッドの重要性は徐々に下がると予測する。これに、固定監視画像データ解析、高度化した公共交通誘導、インテリジェント交通管制、コネクテッドバックオフィスが続き、現時点ではこの5分野で全支出額の50%以上を占める。また、今後5年間では、vehicle-to-everything(V2X)接続、デジタルツイン、警察官用ウェアラブルの分野で大きく支出が伸びると予測している。
都市では、前回に続き、シンガポールが最大の投資国となる見込み。東京は夏季オリンピック大会に向けた投資を中心に、2020年は支出規模が2番目になると予測する。この2都市とニューヨーク、ロンドンを合わせた4都市の支出額は、10億ドル(約1080億円)を上回ると見込んでいる。地域別では、アメリカ、西ヨーロッパ、中国が全体の70%以上を占め、ラテンアメリカと日本での支出額が最も伸びるとしている。
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