複雑な塗布作業でも簡単にティーチングできる、ユニバーサルロボットがデモ展示 : ロボデックス
ユニバーサルロボットは「第4回ロボデックス」で、協働ロボット「UR3e」による塗布作業や、AGVに搭載可能な協働ロボット「OEM DC Model UR5e」のデモ展示を披露する。
ユニバーサルロボットは「第4回ロボデックス」(2020年2月12日〜14日、東京ビッグサイト)で、同社の協働ロボット「UR3e」による塗布作業のデモなどを展示中だ。塗布作業の動作デモが公開されるのは、国内では今回が初めてとなる。
「UR3e」による塗布作業のデモ展示[クリックして拡大]
ブースではハンド部分にディスペンサーを装着したUR3eが、凹凸のあるワークにグリスや接着剤などをイメージした液体材料を塗布していく様子が展示されていた。
これまで、ロボットを使って複雑な形状をもつワークに液体を塗布するためのティーチングでは、あらかじめ「ワークの表面に点を1つずつ取る」「点同士を結ぶ曲線を描く」などワークの形状に合わせて手作業で入力する必要があった。一方、同社が開発したアプリケーションには、ワークの形状をCADデータとして取り込む機能が搭載されており、これにより、ティーチング作業の手間を削減できるという。「塗布だけでなくバリ取りなど、ワークを『なぞる』作業全般のティーチング作業を省力化できる」(ユニバーサルロボットの説明員)。
複雑な形状のワークでも、塗布作業のティーチングを効率的に行える[クリックして拡大]
展示ブースには、無人搬送車(AGV)や自律型モバイルロボット(AMR)に搭載可能なモデル「OEM DC Model UR5e」も展示されていた。アーム部分は同社の協働ロボット「UR5e」と同一だが、UR5eに比べてコントロールボックスのサイズが半分以下とコンパクトになっており、AGVやAMRへの搭載を意識した設計となっている。また、据え置き型のUR5eが一般的なAC電源から給電するのに対して、AGVのバッテリーからの給電で動作するOEM DC Model UR5eはDC電源での駆動に対応しているという違いもある。
「OEM DC Model UR5e」はAGVやAMRに組み込んで運用できる[クリックして拡大]
「現在AGVの活用方法は、人間が載せたワークをAGVが別ラインの人にただ単に渡しに行くというものが主流だ。だが協働ロボットのアームを組み込めば、次に生産する製品に合わせてねじやボルトなどのキットをAGVの車両上で作り、ラインに届けることも可能になる」(同説明員)。
なお、今回の展示でUR5eが搭載されていたAGVは、ユニバーサルロボットと同じく米国テラダイン傘下のMiR(デンマーク)製だったが、「メーカーにかかわらず組み込み可能な設計なので、既に導入済みのAGVに追加で協働ロボットを搭載したい、というニーズにも応えられる」(同説明員)という。
協働ロボット普及のカギは「用途別パッケージ」、2020年は“第3の道”にも期待
人口減少が加速する中、製造現場でも人手不足が深刻化している。その中で期待を集めているのがロボットの活用だ。特に協働ロボットの普及により人と同一空間を活用し新たな用途開拓が進んでいる。2020年はこれらの技術進化による普及が本格的に進む一方で、「人」との親和性をさらに高めた“第3の道”の登場に期待が集まっている。
協働ロボット市場は第2フェーズに、URの“次の一手”とは
デンマークのUniversal Robots(ユニバーサルロボット、以下UR)は2019年12月17日、事業戦略の説明を行い、プロダクトおよびテクノロジーベースでの提案から、ソリューションおよびアプリケーションベースでの提案に大きくかじを切る方針を示した。本稿では会見の内容と、UR社長のユルゲン・フォン・ホーレン氏へのインタビューの内容を紹介する。
“プラットフォーム化”を進めるユニバーサルロボット、仲間集めを着々と進行
ユニバーサルロボットは「2019国際ロボット展(iREX2019)」(2019年12月18〜21日、東京ビッグサイト)において、同社が展開する協働ロボットを活用した製造、物流現場でのソリューション提案を推進。新たに日本におけるパートナーとしてSMCとCKDとユニバーサルロボット向けのロボットハンドを披露した。
URが協働ロボットの機種拡大、AGV搭載モデルや産業機械組み込みモデルなど
ユニバーサルロボットは2019年11月26日、AGV(無人搬送車)やAMR(自律型モバイルロボット)への搭載に最適化したDCバッテリー駆動の協働ロボット新製品「OEM DC Model UR3e/UR5e/UR10e/UR16e」の販売を開始した。合わせてACバッテリー搭載のコンパクトモデルも用意し、こちらは工作機械など機器組み込み用途への提案を行う。
ユニバーサルロボットが協働ロボットを10年ぶりに全面改良、性能強化項目は4つ
ユニバーサルロボットが協働ロボットの新製品「eシリーズ」について説明。10年ぶりの全面改良となるeシリーズは、同社の協働ロボットが評価されてきた「迅速なセットアップ」「柔軟な配置」「簡単なプログラミング」「安全性」の4項目をさらに強化したものとなる。
協働ロボットの差別化はカスタマイズ性で、ユニバーサルロボットの「UR+」
ユニバーサルロボットは、「第22回 機械要素技術展(M-Tech2018)」において、同社の協働ロボットに対応するオプションのエコシステム「UR+」に対応する製品群を披露した。
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