堀正工業は「オートモーティブワールド2020」において、産業用大麻(ヘンプ)の木質部分の微粒子をPLA(ポリ乳酸)と複合させたバイオコンポジットを原料とする3Dプリンタ用バイオマスフィラメント「HBP フィラメント」と、その造形サンプルを展示していた。
堀正工業は「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、産業用大麻(ヘンプ)の木質部分の微粒子をPLA(ポリ乳酸)と複合させたバイオコンポジットを原料とする3Dプリンタ用バイオマスフィラメント「HBP フィラメント」と、その造形サンプルを展示していた。
HBP フィラメントは、イタリアのMICAが開発したバイオ素材ブランド「KANESIS(カネシス)」の3Dプリンタ用フィラメントで、日本を含む、アジア市場での販売・マーケティング活動を堀正工業が行っている。
PLAのみのフィラメントと比較して、HBP フィラメントは軽量かつ丈夫な造形物を作り出せるという。配合比率はPLAが80%、ヘンプが20%で、コンポスター(微生物や菌の力で生ごみなどを分解して堆肥を作る装置)などに入れておけば、2週間ほどで分解が始まるという。
FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンタで、ノズルヘッドの温度調節が可能な機種であれば使用可能。フィラメント径は1.75mmである。吐出時のノズル温度を170℃程度にし、トラベルスピード(ヘッドの移動速度)を遅めに設定することで、造形物をきれいに出力できる。「もともと、木材に近いダークブラウン色だが、吐出時の温度とトラベルスピードを調整することにより、造形物の色に変化を持たせることができる。また、質感も繊維質が強く、独特な仕上がりとなり、後処理もやりやすい」と、説明員はHBP フィラメントの特長について語る。
なお、HBP フィラメントは1リール(約500g)当たり7000円程度と、通常のPLAフィラメントよりもコスト高となるが、軽くて強いという特性、そしてエコの観点からも注目を集めているとのことだ。
さらに、その横ではPLAを80%、シチリア産のチェリートマトを20%使用したトマト色(イタリアンレッド)のバイオマスフィラメントも紹介。こちらは自然の色ではなく、フィラメント製造段階で着色したものだという。
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