技光堂とkenmaは、両社が共同で取り組む金属調印刷「METALFACE」に関する新技術を発表。新たに立体成形(真空成形、インサート成形)、新素材(アクリル、ガラス)に対応した他、自由な発色も可能になったという。
技光堂とkenmaは2019年12月4日、両社が共同で取り組む金属調印刷技術を活用したインタフェース事業「METALFACE(メタルフェイス)」の新技術を発表した。
METALFACEは、透明な樹脂素材の表面に立体感のある(エンボス調)印刷と金属調の印刷を行う技術で、光を透過させる機能も持ち合わせている(特許申請中)。複雑な金属加工による表面加飾(ヘアライン、スピン、鏡面など)を全て印刷で表現することが可能で、金属よりも安価に、そして軽量かつ薄型に、金属調で透過性のあるパーツを製作できるのが特長である。
2019年5月のローンチ当初、METALFACEは平面印刷および樹脂素材への対応を掲げていた。しかし、立体成形への要望や、対候性が高く強度のあるアクリルおよびガラス素材への対応を求める声が多く聞かれ、
の3つの新技術を発表するに至ったという。
1.立体成形では、METALFACEを施した樹脂素材に、後から真空成形やインサート成形などを行うことで、立体的なプロダクトへの対応を可能にした。家電、ディスプレイ、スマートフォン、IoT(モノのインターネット)関連デバイスなどの他、建築および内装といった幅広い素材として活用できるとする。
2.新素材対応では、従来のPET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネート)に加えて、アクリル、ガラス素材にもそれぞれに対応した特殊なインクを使用することでMETALFACEが施せるようになった。アクリル素材は家電やディスプレイ、建築および内装などに、ガラス素材は家電やスマートフォンといったデバイスなどに最適だという。
3.発光色のバリエーション増加では、従来、METALFACEを透過させることが可能な光の色は、プロダクトの光源と同一色のみに限られていたが、METALFACE印刷の裏面にマスク処理(特殊インクによるカラー印刷)を施すことで自由な発色に対応した。これにより、プロダクトの光源自体では発色が困難な色味も表現できる。ちなみに、光源がオフの状態では通常の金属調印刷に見えるが、光源がオンになるとカラー印刷に合わせた発光色が表面に現れる。
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