SKYACTIV-Xの最終確認は、モーターでエンジンを回転させるコールドテスターで行う。600〜2000回転の範囲でエンジンを動かし、油圧や負圧、機械抵抗、電装部品が正常に動作していることを確認する。ここでは、比熱比を高めるための高応答エアサプライも含めて動作させる。過給時の空気の流量の他、エアサプライに異常な振動がないか、異音がないかを測定しながらチェックする。
高応答エアサプライは、比熱比を向上させる過給システムだ。エンジンからベルトを介して回転を得て、電磁クラッチが接続すると空気が送り込まれる。圧縮着火燃焼の領域を中〜高負荷まで広げることをサポートする技術であるため、エンジンの完成状態で空気の流量を評価することが重要になる。そのため、毎秒0.1gの精度で計測し、高比熱比を保証する。
マツダ3のSKYACTIV-G、SKYACTIV-X、SKYACTIV-Dのそれぞれのスペックが出そろった。この中で、SKYACTIV-Xは「走りも環境性能もどちらも欲しい人」(マツダの担当者)に向けたものだという。マツダ3のSKYACTIV-Xは、マイルドハイブリッドシステムを組み合わせている。モーターが回生エネルギーで発電した電力をオーディオやエアコンに使う他、アクセル操作の変動がない巡航中や加速時にモーターが駆動力をアシストするが、価格差がどう受け止められるか。欧州ではSKYACTIV-Xが人気だという。
| マツダ3 ファストバック(AT、2WD) | WLTCモード燃費 | 市街地 | 郊外 | 高速道路 | 最大出力 | 最大トルク | 税込みメーカー希望小売価格 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| SKYACTIV-G 1.5 | 16.6 | 13.7 | 16.5 | 18.4 | 82/6000 | 146/3500 | 218万1000円 | 
| SKYACTIV-G 2.0 | 15.6 | 12.1 | 15.8 | 17.7 | 115/6000 | 199/4000 | 247万0000円 | 
| SKYACTIV-D 1.8 | 19.8 | 16.4 | 19.7 | 21.8 | 85/4000 | 270/1600〜2600 | 274万0000円 | 
| SKYACTIV-X | 17.2 | 13.7 | 17.6 | 19.0 | 132/6000 | 224/3000 | 319万8148円 | 
| SKYACTIV-Xの排気量は2.0l(リットル)。WLTCモード燃費の単位はkm/l、出力の単位はkW/rpm、トルクの単位はNm/rpm | |||||||
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