富士電機は、新開発のコントローラー「XCS-3000 Type E」を用いた「プラント・工場向け高速制御システム」を発表した。大容量のデータを高速で更新する同コントローラーを適用することで、システムの性能が大幅に向上する。
富士電機は2019年10月28日、新開発のコントローラー「XCS-3000 Type E」を用いた「プラント・工場向け高速制御システム」を発表した。同システムは、同年11月27日~29日に開催される「IIFES(Innovative Industry Fair for E×E Solutions)」に出展する。
XCS-3000 Type Eは、生産設備の稼働状況を監視して制御し、大容量のデータを高速で更新できる。同社のプラント・工場向け高速制御システムは、鉄鋼および非鉄プラント、製紙工場など多様な生産現場で使用されているが、XCS-3000 Type Eを適用することで、同システムの性能が大幅に向上する。
大規模な鉄鋼プラントなどでは、300~400台に及ぶ駆動機器を複数のコントローラーで制御している。そのため、機器の制御にわずかでもずれが生じると、製品の質に影響を及ぼす場合がある。
同システムは、駆動機器の監視、制御データを0.5ミリ秒で更新でき、一度に送受信できるデータ容量を従来製品の10倍以上となる512kステップに増大。また、複数のコントローラーの配下にある機器を、多軸同期制御によってタイムラグなしに制御することで、生産品の歩留り率を向上する。
さらに、ネットワークの障害発生時に機器が一斉停止することがないよう、障害箇所を避けてデータを伝送できる「ループ構成」を取り入れ、リスクを低減している。
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