例えば、マネジャー、インダストリアルデザイナー、メカ設計者、解析専任者で構成されるプロジェクトメンバーの場合、マネジャーはENOVIAWORKSが提供する「Project Planner」でタスクや要件を定義したり、スケジュールを立てたり、人をアサインしたりする。そして、インダストリアルデザイナーはSOLIDWORKSデスクトップを活用しながら、意匠面を「3D Sculptor(xShapeアプリケーション)」でデザイン。メカ設計者は同じくSOLIDWORKSデスクトップで機構設計を進めつつ、軽量化を「3D Creator(xDesignアプリケーション)」のジェネレーティブデザイン機能で実現し、それを解析専任者へ渡す。解析専任者はAbaqusのソルバーを用いた高度な非線形シミュレーションが可能な「Structural Professional Engineer」を実行する。「これら各タスク間でコミュニケーションを取りながら、反復的に作業が行われることでデザインのイノベーションが生まれる」とし、バッシ氏はプラットフォームによるモノづくりの有効性について説く。
ちなみに、SOLIDWORKS 2020の新機能をダイジェストで取り上げた別の講演では、Structural Professional Engineerの活用事例を紹介。「SOLIDWORKS Simulation Premium」で10時間20分かけて60%しか収束しなかった解析が、Abaqusのソルバーとクラウドのコンピューティングパワー(Structural Professional Engineer)により、わずか14分で収束することを示した。SOLIDWORKS Simulationで設定したほぼ全ての境界条件がStructural Professional Engineerに引き継がれ、SOLIDWORKSデスクトップ側で設計変更が生じた場合も、連携ボタンにより最新の形状で再計算が行えるという。
3DEXPERIENCE.WORKS戦略により、SOLIDWORKSデスクトップのユーザーであっても、3DEXPERIENCEプラットフォームを介して、ダッソー・システムズの高度なソリューションの一部を活用できるようになる。バッシ氏は「プラットフォーム思考のモノづくりを可能にするシームレスな環境、高度な機能を皆さんの手にお届けすることができる。これは非常に重要な変化であり、これまで『SOLIDWORKS WORLD』の名称で親しまれてきたこのイベントも、次回から『3DEXPERIENCE WORLD』として生まれ変わる」と述べ、講演を締めくくった。
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