SOLIDWORKS World 2019では4つの発表を通じて、3DEXPERIENCEプラットフォームとの連携を深化させることを明らかにした。SOLIDWORKSブランドのCEO(最高経営責任者)であるジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏は、SOLIDWORKSを3D市場におけるデファクトスタンダードとする青写真を描く。
例年通り、多くの発表がなされたダッソー・システムズ・ソリッドワークス(Dassault Systemes SOLIDWORKS)の年次ユーザーイベントSOLIDWORKS World 2019(会期:米国時間2019年2月10日〜2月13日)。
同イベントでは、目玉である新戦略「3DEXPERIENCE.WORKS(以下、.WORKS)」の発表に続き、.WORKS戦略を支えるIQMSの買収、xShapeの登場予告、年次イベント名をSOLIDWORKS Worldから「3DEXPERIENCE World」へとリブランドすること、の4点を特に強調していた。
この4つの発表を通じて、SOLIDWORKSは何を目指すのか――。SOLIDWORKSブランドのCEO(最高経営責任者)であるジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏は、日本メディアに向けたインタビューで、SOLIDWORKSが3D市場におけるデファクトスタンダードとなる青写真を描いていた。
SOLIDWORKS World 2019で明かされた発表の意図、そしてSOLIDWORKSの未来についてバッシ氏に聞いた。
バッシ氏は、今回のSOLIDWORKS Worldで発表されたことを「以前から話してきた戦略をさらに明確化するものだった」と振り返る。
「以前より、SOLIDWORKSは3DEXPERIENCEプラットフォームにデスクトップの経験をもたらすものだと話してきた。しかし、3DEXPERIENCEプラットフォームは巨大なものなので、その上に何をプラグインするのかは今まで明確性に欠けていた部分がある。今回の発表はプラットフォームに何を付加するのかを説明するものだ」(バッシ氏)。そのように前置きしたうえで、バッシ氏はSOLIDWORKS World2019で行われた4つの発表をそれぞれ簡単に意図を説明した。
1点目の.WORKS戦略について、バッシ氏は「SOLIDWORKSユーザーに3DEXPERIENCEプラットフォームの何が重要なのかを説明するもの」と語る。3DEXPERIENCE.WORKSのネーミングは、3DEXPERIENCEプラットフォームをSOLIDWORKSユーザーに提供するとの意図があるとし、「SOLIDWORKSに服を着せる、シンボルを乗せるという意味を含ませている」とする。
これまでのSOLIDWORKSは、モノづくりにおけるDesign(設計)の側面に対して「最もパッションを注いできた」(バッシ氏)。シンプルで優れた操作性やユーザー体験を提供することで設計現場の効率を高め、モノづくりに貢献してきた。一方で、モノづくりでは「Plan(計画)」「Simulation(シミュレーション)」「Manufacturing(生産)」といった現場も設計と等しく重要だ。こういった現場に対してもSOLIDWORKSの高いユーザー体験を提供することが.WORKS戦略となる。
続く2点目であるIQMSの買収に関しては、「ダッソー・システムズとして、実は今回の買収が中堅企業向けのERPやMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)の領域で初めて行った投資となる」とし、買収したIQMSの資産は.WORKS戦略でManufacturingの面を担うDELMIAWORKSとなる。
3点目に発表されたxShapeは、サブディビジョンサーフェスモデリングに対応するフリーフォーム3Dモデリングツール。バッシ氏は、xShapeについて「ブラウザ上で動作するxAppファミリーの2製品目で、オーガニックやシンプルなデザインができる」と概要を紹介し、SOLIDWORKSとデータ互換性を持つことを長所として挙げた。また、クラウド上で動作する「xAppファミリーこそ設計の未来の姿だ」との認識を示している。
年次イベントを3DEXPERIENCE Worldへとリブランドする4点目の発表に関しては、「SOLIDWORKS Worldをもっと大きく、より意味の深いものにするため」との意図を示した。また、この変更について「ユーザーがSOLIDWORKS Worldに期待しているものは全てそのままだ」と前置きした上で、「新しい付加価値を設ける。SOLIDWORKS World 2019で発表したことを実証し、学ぶ場とする」と新しい年次イベントの方向性を語った。
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