トヨタ自動車は2019年11月7日、東京都内で記者会見を開き、2020年3月期第2四半期(2019年4〜9月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、営業利益は同11.3%増の1兆4043億円、当期純利益は同2.6%増の1兆2749億円となった。営業利益率は前年同期から0.6ポイント改善して9.2%だった。
トヨタ自動車は2019年11月7日、東京都内で記者会見を開き、2020年3月期第2四半期(2019年4〜9月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、営業利益は同11.3%増の1兆4043億円、当期純利益は同2.6%増の1兆2749億円となった。営業利益率は前年同期から0.6ポイント改善して9.2%だった。
2019年4〜9月期の連結販売台数は前年同期比22万台増の463.9万台で、日本、北米、欧州、アジア、その他の全てのエリアで販売台数が増加した。日米欧で「RAV4」「カローラ」など新型車が好調だった。中国での販売台数は前年同期から8.4万台増えて77万台となった。ハイブリッド車が受け入れられるようになってきた他、現地生産車のカローラが好評だったとしている。グループ総販売台数は同16.1万台増の545.4万台だった。
営業利益から為替やスワップの影響を除くと、販売台数の増加などによって前年同期から1250億円増のプラスだった。為替変動の影響は900億円のマイナス要因となった。原価改善や営業面の努力で2450億円分のプラスを生み出したが、労務費や研究開発費、経費の増加が1200億円の減益要因となった。
地域別の営業利益は日米欧で増益だった。北米では、きめこまかくメリハリをつけた販売インセンティブの投入や車種軸での原価改善、トラックやSUVの供給改善、工場の生産性向上など全方位で取り組みを進めているという。一方、中国元やタイバーツなど為替変動の影響でアジアや中南米、オセアニアなどその他の地域で減益だった。中国は為替変動の影響により、前年同期から122億円減の785億円となった。
通期の業績見通しは、税引前利益を700億円増の2兆6300億円に上方修正するが、売上高や営業利益、当期純利益は前回の予想をそのまま据え置く。通期の売上高は前年比2.4%減の29兆5000億円、営業利益は同2.7%減の2兆4000億円、当期純利益は同14.2%増の2兆1500億円を見込む。
連結販売台数の通期見通しは前回の予想から5万台引き下げて895万台とした。前年比では2.7万台減となる。日本では前回予想から3万台の増加を見込むが、アジアでは10万台減を想定している。インドではローンや債務の問題、タイでは与信の厳格化、インドネシアでは輸出減少が要因となり、新車市場が縮小しているのが下方修正の要因となっている。日本国内では消費増税の影響は大きくないとしている。
通期の営業利益は、為替変動の影響で前期から3800億円のマイナスとなるが、販売面の影響や諸経費の増加を原価改善でカバーし、為替やスワップなどの影響を除くと1200億円のプラスとなる。減価償却方法の変更も増益要因となる。通期の為替レートは前年の1ドル=111円から107円に、1ユーロ=128円から118円に変更している。
2020年3月期通期の原価改善効果は「市況変化込みで1650億円、グロスでは2500億円」(トヨタ自動車 執行役員の近健太氏)となる見通し。「TNGAの2巡目や仕様の最適化、大口部品の原価低減を全社を挙げて進めている。総原価の低減に取り組んでいる」(近氏)。研究開発費はコネクテッド化や自動運転、シェアリング、電動化に「かなりの額を投入するが、既存分野への投資は効率化しながら、総額は極力増やさないようにしていきたい」(近氏)としている。
会見では、「販売店やサプライヤーに向けて、企業の体力を超えた原価改善の要求があるのではないか」という質問に対し、「一緒にやっていく」と強調した。近氏は「自動車産業は、作って売るところからアフターサービスまで関わる人が多い。変革は自動車メーカーだけではできない。過度な要求にならないよう、一緒にやっていきたい」とコメント。
トヨタ自動車 副社長の河合満氏は「サプライヤーに助けられているところがたくさんある。仕入れ先を直接訪れているが、人がいなくて設備が直せない、不良を減らせないのが原因となってロスを生んでいるという事態を見ている。トヨタの保全マンを送り込んで、一緒に不良や故障をなくし、生産性を高め、サプライヤーにも利益が出る形を目指している。一緒にコストを作り込む取り組みを始めている」と語った。
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