自動車やロボット工学向けツールを追加したモデルベース開発環境の最新版組み込み開発ニュース

MathWorksは、モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新バージョン「Release 2019b」を発表した。AI、ディープラーニング、自動車、ロボット工学向けの機能を追加している。

» 2019年10月04日 10時00分 公開
[MONOist]

 MathWorksは2019年9月17日、モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新バージョン「Release 2019b(R2019b)」を発表した。AI(人工知能)、ディープラーニング、自動車、ロボット工学向けの機能を追加している。

 MATLABの「Live Editor」は、対話型の環境で視覚的に問題を調査し、データを前処理する。これにより生成されたMATLABコードは、自動的に可視化され、実行可能なドキュメントへと進化する。Simulinkには、使用頻度に応じてソートされるタブによりスピーディーに検索、アクセスできる「ツールストリップ」が加わった。

 ディープニューラルネットワークの設計・実装を支援する「Deep Learning Toolbox」では、学習ループとネットワークが改良された。自動微分、重み共有、カスタムのトレーニングループを用いて高度なネットワーク構造を学習できる。その他、GAN(敵対的生成ネットワーク)やSiameseネットワークといった高度な深層学習アーキテクチャの構築も可能だ。

 また、自動車産業向けのツールとして追加された「Automated Driving Toolbox」「Powertrain Blockset」「Sensor Fusion and Tracking Toolbox」「Polyspace Bug Finder」は、自動運転や車載ソフトウェアの開発を支援する。

 ロボット工学向けには、「Robotics System Toolbox」に、ロボットシミュレーターGazeboの時間同期シミュレーションや衝突チェックを追加。また、動作プランニングやナビゲーション向けアルゴリズムの設計、シミュレーション、展開が可能な「Navigation Toolbox」や、ROS(Robot Operating System)ベースのアプリケーションを設計、シミュレーションできる「ROS Toolbox」が新たに導入されている。

 さらに、イベントベースモデリング用「Stateflow」のチュートリアルも提供。Stateflowモデルの作成、編集、シミュレーションの基礎を学ぶことができる。

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