アリババが自動車用OS「YunOS」を公開、スマートモビリティの開発を促進 : 車載ソフトウェア
アリババグループは、同社の自動車用OS「YunOS」を提携パートナーに公開する。YunOSの公開により、アリババグループと提携する自動車メーカーは、独自のスマートモビリティアプリケーションやソリューションを開発できるようになる。
中国のアリババグループは2019年9月3日、同社の自動車用OS「YunOS」を自動車業界の提携パートナーに公開すると発表した。
YunOS(旧AliOS)は、同社がIoT(モノのインターネット)ソリューションとして開発したOSで、2016年には初のYunOS対応インターネット接続車両が発表された。
YunOS対応車は、AR(拡張現実)ナビゲーション、インテリジェンス音声認識、高精度マップ、O2O(Online to Offline)サービス予約、ドライブスルー支払いなどさまざまな機能を提供している。YunOSの公開により、アリババグループと提携する自動車メーカーは、独自のスマートモビリティアプリケーションやソリューションを開発できるようになる。
今回の発表は、アリババグループが斑馬網絡(Banma Network Technology)と共にスマートモビリティの開発を推進するための戦略でもある。斑馬網絡は、2015年にアリババグループと上海汽車集団(SAIC)が設立した合弁会社で、YunOSをベースにしたインターネット接続車両向けのプラットフォームを提供している。
斑馬網絡のプラットフォームとYunOSを用いることで、自動車メーカーのスマートモビリティ分野のリソースが最適化され、関連技術の開発が促進する。アリババグループと斑馬網絡は、自動車メーカーがカスタマイズされたモビリティソリューションを構築することで、中国ユーザーとのつながりを保てるように、最新技術を提供していく。
組み込みOS業界の黒船となるか、ファーウェイの「HarmonyOS」
ファーウェイは、マイクロカーネルと分散アーキテクチャを採用した独自開発のOS「HarmonyOS」を発表。同社が2019年後半に発売する予定のスマートテレビで、HarmonyOSのバージョン1.0を採用する計画。今後3年間で最適化を進めて、ウェアラブル端末や車載情報機器など、より広範なスマートデバイスに採用を広げていく方針だ。
ルネサスの「RX」がアリババの組み込みOSをサポート、中国のIoT市場狙う
ルネサス エレクトロニクスは、中国のIT大手アリババの子会社であるアリババクラウドとの戦略的提携を発表した。また、ルネサスの32ビットマイコン「RX65N」「RX651」について、アリババのIoTデバイス向け組み込みOS「AliOS Things」のサポートを始める。
広がる車載Android、「Android Auto」に加え「Android Automotive OS」も
グーグルが、2019年5月7日に開幕する開発者会議「Google I/O 2019」に向けて、車載情報機器関連の新たな技術を2つ発表した。1つはAndroidを車載情報機器向けに展開する「Android Automotive OS」向け、もう1つはAndroidスマートフォンと車載情報機器の連携システム「Android Auto」向けとなる。
新型「レガシィ」の統合コックピット、デンソーとブラックベリーが共同開発
デンソーとブラックベリー(BlackBerry)は2019年9月11日、複数のHMI(Human Machine Interface)を連携させる統合コックピットシステム「Harmony Core」を共同開発したと発表した。同年秋から米国で発売されるSUBARU新型レガシィ、アウトバック(米国仕様)に搭載される。
車載Linuxはインフォテインメント以外にも拡大、自動運転と機能安全に焦点
Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は開発者向けイベント「Automotive Linux Summit」(2019年7月17〜19日、虎ノ門ヒルズフォーラム)を開催。基調講演では、Linux FoundationでAGL担当エグゼクティブ ディレクターを務めるDan Cauchy氏が、AGLの現状や、インフォテインメントシステム以外の取り組みなど今後の方針について説明した。
Armの組み込みLinux「Mbed Linux OS」が目指すセキュアな世界
「Arm TechCon 2018」で発表された「Mbed」関連の最大のネタといえば、Armが提供する組み込みLinux「Mbed Linux OS」だろう。
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