ソニーは、メディカルイメージングプラットフォーム「NUCLeUS」の提供を開始した。病院内の多様な機器の映像をIPネットワーク経由でリアルタイムに一元化し、多用途に記録編集、管理、活用ができる。
ソニーは2019年9月3日、IPベースのメディカルイメージングプラットフォーム「NUCLeUS(ニュークリアス)」の提供を開始し、同プラットフォームを構築する各種ソフトウェアライセンスとIPコンバーターを発売した。病院内の多様な機器の映像をIPネットワーク経由でリアルタイムに一元化し、多用途に記録編集、管理、活用ができる。
NUCLeUSは、手術室内外のワークフローに合わせて最適な医療情報やデータを自由に選択して活用し、病院内のワークフローを効率化する。例えば、さまざまな機器からの映像を手術室内外にリアルタイム配信し、術野や進捗状況を共有できる。離れた場所からアドバイスを得るなど、双方向のコミュニケーションが可能で、安全な手術のサポートや若手医師の育成などにも活用できる。
映像の管理、活用に関わる各種ソフトウェアライセンスと、病院内の映像データの伝送を行うIPコンバーターから構成。ソフトウェアライセンスは8種で、映像切り替えソフトウェア、映像管理ソフトウェア、ライブ配信ソフトウェアなどがある。
ソフトウェアプラットフォーム上でアプリケーションを必要に応じて組み合わせ、柔軟なシステムを提案でき、オープンAPIにも対応。他社が作成するアプリケーションやユーザーインタフェースを自由に搭載できる。メーカーを問わず内視鏡、モニターなどの機器と接続できるため、容易にシステム拡張や構築ができる。
IPコンバーターは、高画質4K映像データの伝送に対応するほか、リアルタイムでの伝送が可能な同社独自のLLVC(Low Latency Video Codec)を採用し、低遅延かつ高画質を可能にした。光ケーブル、LANケーブルに対応し、ユーザーのニーズに応じたネットワーク環境を作れる。
システム導入後も、ソフトウェアアップデートで新機能を追加できる。これにより、将来にわたって機器の交換をせずに、ユーザーのニーズに合った最新のシステム環境を整えられる。
市場推定価格は、最小単位のシステム構成で400万円台から(税別)。今後は、より安全で効率的な医療をサポートする機能を持つソフトウェア「NUCLeUSスマートアプリケーション」を開発し、順次展開していくほか、AIや画像解析技術を用いた新しいソフトウェアの開発も進めていく予定だ。
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