ベンチャー企業のジャスミーは、開発中のブロックチェーン技術を活用したIoTラットフォーム「Jasmy IoTプラットフォーム」の事業展開について説明。2019年4月に設立する予定の「Jasmy Initiative」に参画する企業と、Jasmy IoTプラットフォームを使った実証実験を夏ごろから始める計画だ。
ベンチャー企業のジャスミーは2019年3月29日、東京都内で会見を開き、同社が開発中のブロックチェーン技術を活用したIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Jasmy IoTプラットフォーム」の事業展開について説明した。同年4月に設立する予定の「Jasmy Initiative」に参画する企業と、Jasmy IoTプラットフォームを使った実証実験を夏ごろから始める計画。「Jasmy Initiativeには10社程度の参加を想定している。当社との提携を検討しているトランスコスモスやVAIOが候補になるが、不動産、飲料、飲食、保険など業界を超えてさまざまな企業に参加してほしいと考えている」(ジャスミー 社長の佐藤一雅氏)という。その後、2020年度には事業の本格的な立ち上げ段階に進めたい考えだ。
ジャスミーは、元ソニー社長兼CEOの安藤国威氏、元ソニー クリエイティブセンター長の佐藤氏、ソニーエリクソンモバイルコミュニケーション 日本事業部門責任者の吉田雅信氏というソニー出身者3人が2016年4月に設立した企業である。
Jasmy IoTプラットフォームは、そのジャスミーが目指す「データの民主化」を実現するためのものだ。同社で取締役副社長 CTOを務める吉田氏は「われわれの周りには、IoTやAIをはじめとした新しい技術が満ちあふれている。これらの新しい技術からは、自身に関わる情報もデータが生み出されている。しかし、そのデータはいったい誰のものなのか。データがその人自身に価値を生み出すべきではないのか。現在データは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表される大手IT企業が中央集権型で集めている。これを、ブロックチェーン技術を活用したJasmy IoTプラットフォームによって非中央集権型に変え、『データの民主化』を実現したい」と語る。
ジャスミーが訴える「データの民主化」を実現するには、個人の周りにあるIoTにひも付くデータを、個人で所有して安全に保管し、保護した上で価値を生み出せるようにしなければならない。そこで力を発揮するのが、現時点では主に仮想通貨に用いられているブロックチェーン技術である※)。
※)関連記事:製造業にも役立つブロックチェーンの3つの特徴
「トレーサビリティー」「耐改ざん性」「透明性」などの特徴を持つブロックチェーン技術を使えば、これまでGAFAなどに提供した際には、その後どのように使われているかが分からなかったデータについて、必要があれば自身の手に取り戻したり、データを有償のものとして提供したりすることが可能になる。「人々は、それぞれデータという油田を持っているわけで、その油田の価値を享受する権利がある」(吉田氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.